最新の観てきた!クチコミ一覧

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稽古初日vol.2

稽古初日vol.2

O企画

イズモギャラリー(東京都)

2022/04/26 (火) ~ 2022/04/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

チケプレに外れたので自力で行きましたが、行った甲斐はありました。面白かったです。演目の順番もこれで良かったと思いました。
明日のチケットはまだあるそうなので、お時間のある方はぜひ!

ナマリの銅像

ナマリの銅像

劇団身体ゲンゴロウ

ひつじ座(東京都)

2022/03/09 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 ホリゾント中央に2枚のクロスを隙間なく合わせた幕。その手前が一段高くなった舞台、これを囲むように可動式の低い台座を取り付けた1間パネルが設えてある。出捌けは中央奥の幕及び、幕の奥を袖として用い、板のぐるりを通る上手、下手のスペース。
 2月下旬だった公演日程がCovid-19の影響でずれ込んだ。だが、果敢にチャレンジしたこの劇団に好感を持った。兎に角、一所懸命に書いた脚本、そして演技である。上演時間約110分(追記後送)

熱海殺人事件「4作品同時公演」

熱海殺人事件「4作品同時公演」

カガミ想馬プロデュース

シアターKASSAI(東京都)

2022/02/16 (水) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/02/22 (火) 19:00

ロンゲストスプリング観劇 見たかった藤堂さんの熊田が見られてすごく熊田で良かったです。もう星5ですその上大山役のの宇多海音さん、凄いですね熊田とかも見てみたいです。さらに水野役の平野史子さんは代役な上にご本人もトラブルがありやっと今日が初日のことでしたが他の役者さんとしっかり噛み合っていて石部さんよりセリフしっかりしてました。

ネタバレBOX

改善の意思は感じるが運営が急に良くなれるものではない。行く人が注意するしかないのは公演中どうしようもないでしょう。
磁界

磁界

オフィスコットーネ

小劇場B1(東京都)

2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇場に入ったとたんに「ああ、気が重くなりそうな話なのだ」としか思えない美術に圧倒されます。面白かったです。胸くそ悪くなりますが。

フリーターの矜持

フリーターの矜持

笠島企画

アトリエ春風舎(東京都)

2018/06/25 (月) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

色々と切ない話でした。

ネタバレBOX

コールセンターの休憩室を舞台に、正社員とパート従業員の人間関係を描いた話。

出来過ぎるパートの存在の有難迷惑、分かります。トラブルが起こる度に締め付けが増えること、そして反論できない前向きな意見のウザったさには辟易します。

恋心が伝わらないのは切なかったです。

演出上仕方ないのかもしれませんが、正社員がパート従業員の前で自分たちの給与面や待遇面のことほのめかすような話をすることは絶対になく、住宅控除のことを聞くシーンはあり得ないと思いました。そして、パートにも勝ち組と負け組がいることも分かりました。

ケツをまくれるのがフリーター、振り上げた拳をそっと下すのが正社員でした。
熱海殺人事件「4作品同時公演」

熱海殺人事件「4作品同時公演」

カガミ想馬プロデュース

シアターKASSAI(東京都)

2022/02/16 (水) ~ 2022/02/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

熱情と愛情に溢れた舞台でした。「水野朋子物語」。 つかこうへい作「熱海殺人事件」。

カガミ想馬プロデュース 4作品の内の「水野朋子物語」を

池袋:シアターKASSAIにて、観劇。全席自由席 4,500円。

観劇日 2022.2.18(金)19:00 水野朋子物語


木村伝兵衛:土田卓 さん
水野朋子 :一村すみれ さん
熊田 :直井よしたか さん
大山 :萩原成哉 さん
………………………………………………………………………………
「水野朋子物語」編。

警視庁の木村伝兵衛と、水野朋子、赴任してきたばかりの熊田、この警察官3人が、

熱海で起きた殺人事件の、容疑者である、大山を取り調べる中で、

あらわになって行く、思わぬ事実や、それぞれの人生の悲喜交々が、情熱的に、描かれた作品。

序盤に響き渡る音響や、鮮やかな照明、演者による、笑いを交えたシュールな展開で、

不条理で奇妙な世界への入り口なのかと、観客に思わせつつも、物語に巻き込んで行き、

徐々に明らかになって行く、登場人物それぞれの関係性や、秘めたる想いに、心うごかされる。

作品全体を通して、「情」というものを、自分は、感じた。

それは、激情であり、愛情であり、非情であり。その他、個人的に琴線に触れる部分も、いくつか有った。

シンプルな舞台装置、90分の上演時間中、ぼぼ出突っ張りの演者4人。

1人1人の精神性、技量が高くなければ、観客を惹きつけ続けるのは、難しく、

チームワークの良さも問われる。

そして、今回の水野朋子物語のチームは、その点において、とても良かったと思う。

古くから受け継がれてきた、有名作品である、「熱海殺人事件」。

「水野朋子物語」の他にも、

「ロンゲスト・スプリング」「売春捜査官」「サイコパス」と、

人物や背景設定が、微妙に異なるバージョンもあるようなので、是非、他の作品も観てみたいと思った。

そして、キャスト・スタッフの皆様へ。

昨今の大変な状況の中、熱意を持って、作品を創り上げ、
キャストさんスタッフさん、皆さんが、
私達観客へ、作品を届けようと、
様々な心配りをして下さっていることに、感謝致します。
本当に、ありがとうございます。
皆様、どうかご無理をなさらずに、体調に気をつけて、ご自愛くださいませ。
カガミ想馬プロデュース「熱海殺人事件」
また、作品を劇場にて、拝見するのを、楽しみにしております。
そして、もし叶うなら、配信やDVD等、ご検討頂けましたら、幸いです。
………………………………………………………………………………
つかこうへい作「熱海殺人事件」カガミ想馬プロデュース 4作品を日替わりで上演。

2022/2/16(水曜)から、2/27(日曜)まで。

池袋:シアターKASSAI 自由席券 4,500円

「ザ・ロンゲスト・スプリング」

「売春捜査官」

「サイコパス」

「水野朋子物語」

#カガミ熱海2022
………………………………………………………………………………
2022.2.22(火)18:25
トランクウィル 記する。
………………………………………………………………………………

1981年のグッドバイ

1981年のグッドバイ

成井硝子店

新宿スターフィールド(東京都)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/04/02 (土) 13:00

1980年、大学入学後すぐに演劇サークル/劇団に入団した主人公の1年間……という脚本の成井さんの自伝的な物語。
登場人物や彼らの劇団名は多少変えてあるが、台詞で出てくる劇団・作品・人名は実在のもので「あぁ、あの頃か」などと身近に感じつつ楽しんだ。
また、アフタートークで登場人物全員のモデルが明かされ、うちお二方はよく存じていたので大いに納得。

虚空遊戯〜イナニティ・ゲーム〜

虚空遊戯〜イナニティ・ゲーム〜

ZERO Frontier

萬劇場(東京都)

2018/08/01 (水) ~ 2018/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

終盤のアクションがとにかくすごかった。かわいい衣装の女性のアクションも真剣そのもの。けがをしなければよいとこちらが心配になるくらい。かと思えば、息のそろったダンスあり、コミカルな笑いあり、予想していなかった魔訶不思議なストーリー設定もあり、ドールの衣装も見ていてかわいい、様々な要素を楽しめる、見ごたえのある舞台でした。
舞台が香港というのも、イナニティ・ドールという謎の存在と相まって、不思議な世界感を醸し出していました。最初のシーンの意味がなかなかわからなかったのですが、終盤でその謎も明かされ、納得。

BELLA NOTTE

BELLA NOTTE

DANCETERIA-ANNEX

大倉山記念館(神奈川県)

2022/06/21 (火) ~ 2022/06/24 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ダニーとテオのコントが良かった!

市民プールにピラニアが出た!!

市民プールにピラニアが出た!!

劇団かもめんたる

駅前劇場(東京都)

2018/08/02 (木) ~ 2018/08/07 (火)公演終了

満足度★★★★★

■約95分(カーテンコール除く)■
スカッとしない面白さはかもめんたるならでは。楽しみました。

風がつなげた物語

風がつなげた物語

グッドディスタンス

新宿シアタートップス(東京都)

2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「珠子が居なくなった」…可笑しみの中に、じわっとくる温かみ 滋味ある好公演。お薦め。
前作「風吹く街の短篇集(第五章)」の「朝、私は寝るよ」は55分、二人芝居で素晴らしかったが、この公演は少し時間軸を長くして、家族の物語を紡ぐ。

常識という概念からズレているような主人公・珠子の思考や行動、それに振り回される周囲の人々の可笑しみ。表層的にはシニカルな感じもするが、ラスト 父との会話によって滋味溢れる物語へ変転させる上手さ。珠子も その家族もどことなく変な人達だが、全否定できない微妙な感覚のズレを見事に表している。少し変わっている家族に対し、珠子の夫を常識人(対比)として描くことによって、一層変なズレを際立たせる。家族であるが、家族になりきれない夫の歯がゆさ、苛立ちは観客の共感を得るところ。しかし家族には家族にしか分かり合えない絆・繋がり、そして歴史がある。それがラストシーンに…。
(上演時間1時間35分)

ネタバレBOX

舞台セットは、二段平行構造で場所の違いを表す。一段目は珠子の実家。二段目は外の光景で、バス停(「月と座る」のモチーフ)であり温泉旅館の一室。実家の上手には炬燵、下手にはダイニングテーブル・イスがある。時間も並行に流れる演出の妙。時々、状況を説明する字幕あり。

物語は、ずいぶん前に家出した母が孤独死をした、その葬儀の日から始まる。父(モロ師岡サン)は自失なのかどことなく所在なげで、食事の心配をする。三人姉妹の二女(既婚)・珠子(ししどともこサン)は、母の遺骨と遺影を放さない。出前を取ることにしたが、なかなかカバンから携帯電話や財布を取り出せない滑稽な姿。ここに作劇の意図を籠める。父は葬儀の翌日、〈定年〉退職を迎える。寝付けない父、長女(田口朋子サン)、三女(鈴木朝代サン)がいけないんじゃない、と言いつつ駄菓子やコーラでプチ宴会。そして乾杯(父の定年)いや献杯(母の冥福)といったどちらが大切かの言い争い。一方、珠子は夫(益田恭平サン)と共に遺骨を持って自宅へ帰ろうとバス停へ。夫がタクシーを探しに行った間に出会った男(若狭勝也サン)と…。

珠子が居なくなっても、心配しない家族。小さい時から変わり者。小学生の時、学校に牛乳びんを投げ停学!になった。少しくらいのことでは驚かない。夫は、そんな家族にイライラを募らせる。捜さないのは、非常識なのか?噛み合わず漂流するような会話の可笑しさ。台詞というか言葉の妙を至る所に散りばめ、会話劇の面白味を引き出す。

珠子は親(母)離れできないのか。自分が幼い頃、家出をして結局帰ることなく、孤独死をする。可哀そうという気持、一方 妹(三女)は自由に暮らせて幸せだったと言う。同じ姉妹でも母への想いは異なる。なぜ珠子は居なくなったのか、直接的には夫への欲求不満のようであるが、自分の生(存在)の確認のように思える。母から、父は男の子を望んでおり、珠子の誕生は喜ばれなかったと。三女は堕胎して、とまで言ったそうだ。しかし、父は野球が好きでキャッチボール(別シーンで車のキーのキャッチ伏線?)がしたい、そんな単純な願いだった。遥か昔のこと、母は亡くなり本当のところは分からない。そこで父がとった愛情表現が切ない。

さて、珠子は戻ってくる。夫は詰るが、家族はホッとし「お帰りなさい」ではと、逆に夫を非難する。珠子はひょんなことで骨壺を壊してしまい、それによって母から解放されたような。居なくなったのは、母の思いと行動に重ね合わせたかった、かのようだ。逆に母は登場しないが、珠子を通して母親像が立ち上がってくるような面白さ。

物語が寄り添ってくるのは、定年〈諦念か〉で時間を持て余す「父親がボケ始めた」の台詞。行く所は母と出会った「バス停」だけという悲哀。そんな父親の面倒を見るのは誰か。一方、父親は「子供には迷惑をかけない」、施設への入所も考えている。面倒を見ることを嫌がる長女を三女が非難する。身近に聞く話、それを会話に取り込み観客の共感を誘う。

役者は、夫々の人物キャラクターを立ち上げ、バランスも良い。特にモロ師岡さんの飄々とした演技が、可笑しさと滋味の両方を巧く表現しており、公演の印象そのもの。
次回公演も楽しみにしております。
昭和芸能舎版 フラガール

昭和芸能舎版 フラガール

昭和芸能舎

赤坂RED/THEATER(東京都)

2018/06/26 (火) ~ 2018/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

たった今観終わりました。まだ余韻に浸っているくらいとても素晴らしかった!お芝居そのものも実力派の皆さんで楽しかったのですが、やはりフラダンスが良かったんです。梓さんにつられての観劇でしたが、迫力ある圧巻の演技はさすがで、断トツの存在感でした。思わず木村伝兵衛さん?と見間違うほどの迫力を散りばめて、時折マリヤアンジュ?テイストも放り込んだ凝りような演出、本当に楽しい舞台でした。それにしてもあんなにフラダンスが上手だったとは?驚きました。ダンサー皆さんの変化をつけた上達ぶりも丁寧に描かれていて、ラストフィナーレに向けてどんどん引き込まれて行き、圧巻のダンスシーンは感動ものでしたね。素晴らしかった、ありがとう。

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

全員の感情に共感でき、感情移入のしすぎで涙が溢れました。ともえちゃんは本当にかっこよく、トモヱちゃんは本当にいい子で、水神様は美しく、お父さんズは温かく、本当に本当に素敵な舞台でした!!

蜃気楼を抱け!

蜃気楼を抱け!

アトリエ・センターフォワード

OFF OFFシアター(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/10 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/08 (火) 14:00

ロスジェネって若い世代だと思ってたら、いつの間にかオジサン、オバサン世代に。騙しのプロが騙し騙され、最後までハラハラドキドキ。

ネタバレBOX

いちばん友情を信じてた愚直な性格のおじさんが、実は詐欺集団の取材をしてたジャーナリストだったという最後の最後のオチは笑いました。
二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

この公演を2度観ました。wordressの芝居で、殺陣がカッコ良いのはもちろんですが、泣けるシーンもあったり、水の流れや、弓矢が飛んでいる様子をアクションモプの方が表現するのも、見所となっています。
そう言う意味では、前の席と後ろの席で観たのは、正解だったと思います。

地獄変をみせてやる。―人生失笑(疾走)篇―

地獄変をみせてやる。―人生失笑(疾走)篇―

あんよはじょうず。

TACCS1179(東京都)

2021/12/29 (水) ~ 2022/01/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

☆☆☆☆✬

荒人神 -Arabitokami-

荒人神 -Arabitokami-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/12/21 (水) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

殺陣の迫力、音楽、演技全てに感情が高まり、演劇の凄さを改めて感じました👏👏
四神楽を見た人はもちろん、初見さんでも絶対楽しめる構成になってるのが凄い!

もっとたくさんの人に広まってほしい!
殺陣に圧倒されながら、人間の凄さ、悪さ、尊さ、色んなものを感じてほしい。

あちゃらか2〜ねずみの唄は花火と共に〜

あちゃらか2〜ねずみの唄は花火と共に〜

ホチキス

博品館劇場(東京都)

2018/06/20 (水) ~ 2018/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

ご都合もここまでハマれば“有り”です!何でもありでいいじゃないか!と言うのがこの作品の良いところ!そして、脇キャラでも主役のように魅せるシーンがあるのが、これがまたムッチャ楽しい!盛りだくさん・てんこ盛りの面白さ、シリーズが何作続いて行くか?長期戦で豆にお願いします!

オペラ『あん』

オペラ『あん』

オペラシアターこんにゃく座

俳優座劇場(東京都)

2022/02/10 (木) ~ 2022/02/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

約一年、待ちわびた舞台。
樹木希林主演の映画を観、ドリアン助川の原作小説を読んで珍しく周囲に勧めたりなんぞしていた作品が、意外にもこんにゃく座のオペラになる。想像もつかないが寺嶋氏に作曲を委託、上村氏を演出に招いた事から本気度が伝わってくる。完全2チーム制、「どら組」の最終日を押えていたがついにその日が来た。
「どら焼き~ いかがで・す・か。」、やる気の無い男の売り声。同じ呼び声のメロディを歌うコロスの中学生らによる、しょぼい店の紹介で笑わせてから、物語の中心人物・徳江さんは早くもやって来る、アルバイト募集の紙をその手に持って。「あまり美味しくないという噂も聞いた」と言って自作のあんを置いて行くがこれが絶品、やさぐれ店長は「このあんこで借金に縛られた生活から抜け出せる!どら焼き屋から解放される!」と夢見顔。「焼きそこない」の皮をもらいに時々訪れる中学生のワカナも味見してびっくり。「でもあのおばあさん、指が少し曲がっていたな。」「気にすることないよ。」「そうだあんこだけ作ってもらおう!」
軽快なこの序盤からこみあげてくる。人生に躓いた店長の千太郎と、母一人の片親家庭の苦労を背負うワカナに、訪問者・吉井徳江を受け止める素地を微かに見出す。二人の何気ないやり取りが静かに、ふつふつと物語を歌い始めるのだ。
創立50周年第2弾の「ドン・キホーテ」(2021)にも、湧き起る憤りがあったが、本作では怒りの向けどころのない内腑を抉る「事実」から、自らの人生の答えをまるで奇跡の賜物のように見出した徳江という存在との、二人の出会いの悦びが歌い上げられる。もちろん徳江の「奇跡」が輝くのは果てしなく長く深い絶望があったからなのだが。そして今尚差別の残る社会への憤りと、無力でちっぽけな自身へのやるせなさに嗚咽する千太郎に自分を重ねている。
詩が好きで国語の先生になるのを夢見つづけていた徳江さんならではの人生賛歌は、ハンセン病(隔離政策)という受苦から生まれ、全ての人間の生に桜の花のように降り注ぐ。明確なイメージを伝える演出、台詞、音楽であったが、今回はもう一つの組(春組)の千秋楽も観るという贅沢をさせてもらった。比較しての感想もいずれ。

ネタバレBOX

50周年記念第三弾、作品への暖かい眼差しと高揚が漏れ出る各人のコメント(主宰萩京子、作曲寺嶋陸也、作者ドリアン助川)の中で、萩京子がこんにゃく座のオペラが持つ「台詞を旋律をつけて言うことのおかしさ(違和感)」はずっと課題である、との趣旨の言葉があった。事実、その台詞、メロディーいらなくね?と思った事は過去数知れず。そして作品中、素の台詞を言わせる部分があったりもする。決して確立された芸術ではなく、未だ模索中との吐露に大いに納得した。
今作は初めて「庶民」にスポットを当てた作品なのだそうだ。寓意性の高い作品と異なり、リアリズムに裏付けられた抒情、心象風景といった要素が大きいことは理解できる。そして、ここから「どら組」と「春組」の比較の話になるが、
私が最初に観たどら組(千太郎=高野うるお、ワカナ=高岡由希、徳江=梅村博美)にはリアリズムの風が吹いていた。高野うるおは役者としての性質もありそうだが、押し出しの無い歌、台詞の表現が、苦節を舐めた半生を背負う風情にぴったりであった。梅村は老女を演じるに相応しい風貌と声でリアルに人物像が見えてくる。言わば通常の芝居で配役をしたらこうかな、という範疇に収まっている事が、この場合味方をしている。徳江の人生に千太郎が触れたその接点からリアルに、自然に湧き上がるものを、高岡の多感な感受性で受け止める関係が舞台で成立している。寺島氏の楽曲は、そうしたリアルの土台に乗っかって、台詞を言うように、楽曲の抒情性をむしろ抑制して歌われているのである。これは比較によって明確に感じられたことだったが、ストレートプレイに限りなく寄せた歌芝居のカタチは、萩京子の言う「台詞を旋律で言うこと」の新たな挑戦の成果と受け止めたのだった。
対する春組の千秋楽。老女の徳江(青木美佐子)が若すぎる(声も)、という憾みは、前日観たどら組との比較によるのだとしても、違いは明白だ。島田大翼のやさぐれ具合はポイントを締めて笑いも起こすが、失意の前半生がさほどダメージになっていない、少し元気な千太郎。一方飯野薫のワカナはやや控えめなキャラが原作に近いが、印象は薄くなった。従って、物語を推し進めるのは楽曲。コロスが元気に強力なハーモニーで場面を締めるが、その分だけ従来のこんにゃく座オペラの雰囲気になり、どら組のようなリアリズムの風とはそこが決定的に違う。春組がよく表現できていた場面もあり、脚本と音楽により終盤に至っては物語に十分浸れたので、どちらが劣っているという事は言えない。だが、芝居が持つ蠱惑的な魅力が「リアル」にあることを改めて思わされる。自分が新鮮に、深い感動をもって味わったのはどら組だったがその理由を以上述べてみた。
心踏音 -Shintouon-

心踏音 -Shintouon-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/10/19 (水) ~ 2022/10/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

盲目の主人公と話せないヒロイン、心を通わせていくところはこちらまであたたかい気持ちになるほど素敵だった。主人公が堕ちて戦いに明け暮れて時間が戻って、え?どういうこと?と迷子になったので上演台本で確認してそういうことかと分かって再度鑑賞。それってどうなの?でも他に何が出来る?色々つらい気持ちになりながら激しい戦いを観てた。盲目の主人公、目をつぶってるのに戦えてるのかすごい…席が近かったのに分からなかった。主人公とヒロインの幸せを祈ってる。

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