20の物語 -週末を、劇場で- 公演情報 20の物語 -週末を、劇場で-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-3件 / 3件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    リーディング公演 『マクベス』
    【作】ウィリアム・シェイクスピア
    【翻訳】小田島雄志
    【構成】小田島創志
    【演出】鵜山 仁

    あるのは四脚の丸椅子のみ。展開に合わせ、中央天井から吊り下げられたジョーゼット幕がドレープをくねらせて上下に舞い踊る演出。
    岡本健一氏、中嶋朋子さんとビッグネームが並び、リーディングとはいえ今企画の看板のような作品。
    『マクベス』はロマン・ポランスキー・ヴァージョンが一番印象的。後はやはり『蜘蛛巣城』か。平蜘蛛で手を洗う山田五十鈴の妖気。

    マクベス岡本健一氏とバンクォー木下浩之氏が荒野で魔女・一柳(ひとつやなぎ)みるさんと邂逅するシーンからのスタート。手紙で予言を知るマクベス夫人・中嶋朋子さん、城に逗留する国王ダンカン木下浩之氏。客席通路を大きく使う。

    やっぱり『マクベス』は面白い。リーディングを逆手に取ったシーンもあり、65分でも味わえる。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    中嶋朋子さんは前髪の中央だけ赤くインナーカラーで染めているのが効果的。マクダフの妻も兼ねる。
    木下浩之氏、一柳みるさんは文句なしの助演。
    岡本健一氏はマクダフも兼ねて独りで殺し合う狂気のラスト。

    散々煽っておいて罪の意識で気がふれ、さっさと死んでしまうマクベスの妻。独り残されたマクベスはもうどうしようもない。地獄まで一直線。欲望を刺激する魔女達の笑い声。何かを得るということは何かを失うということだ。

    自分の欲望が自分を苦しめている話。欲望を叶えれば叶える程、苦しみは増大していく。壺から手が抜けなくなって苦しむ猿の寓話。掴んでいる物を放せば手は抜ける。でも手放せない。苦しんで苦しんで苦しんで死んでいく。自分を苦しめているものが自分自身であることに気付け。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    『水のほとりの女』
    作 田中澄江
    演出 小林七緒

    凄く成瀬巳喜男を感じたが、やはり彼と組んでいだ脚本家の作品だった。1955年(昭和30年)、NHKのTVドラマとして単発放送された作品。演出の小林七緒さんは流山児☆事務所!台本を持って女優が現れ、ト書きを読み上げ、役を演じ始めてのスタート。

    戦後の未亡人漫才のようなテイスト。戦死したとされる旦那を未だに待ち続ける貞淑な妻(町田マリーさん)とさっさと死んだ旦那なんか忘れてダンサーとしてさばさば生きる鹿野真央さん。対照的な学生時代からの友人の会話劇。「主人が、主人が、」と繰り返す町田マリーさんに痛烈なツッコミを入れる鹿野真央さんで観客がどっと笑う。

    町田マリーさんは初めて観たと思うが鄭亜美さんっぽく感じた。
    鹿野真央さんは『無頼の女房』で観た。さばさばして非常に魅力的。
    ワンシーン登場の笹野美由紀さんの喋りは市川崑の『あなたと私の合言葉/さようなら、今日は』を思い出した。早口ざーます言葉の応酬が卓球の高速ラリーのように延々続き観客が酔っていく作品。
    2回しか演らないのは勿体無い。
    45分。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    最後の子供の声は誰だろう?

    肝心な所で台詞を噛んでしまうミスが多発。勿体無い。でも凄く楽しい作品。ラスト近くの話の右往左往振りが自分的には蛇足気味か。ラストは台本放り捨てて女優二人に戻るべき。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    『ラッツォクの灯』
    熊谷達也の連作短編集『希望の海 仙河海叙景』を再構成
    脚本・演出 赤澤ムック

    宮城県気仙沼市をモデルとした架空の仙河海(せんがうみ)市が舞台。気仙沼では麻の茎(オガラ)に硫黄を塗ったもの=ラッツォクをお盆に焚いて海からやって来る霊を迎える風習がある。

    実家暮らしの永嶋柊吾氏はある日会社に行けなくなり、今ではコンビニのバイトで日々をやり過ごしている。彼を気遣う中学時代からの恋人、那須凜さん。家を出ている妹の小林未来(みく)さんは近く結婚するとの報告。

    永嶋柊吾氏の一人語りに味があって惹き込まれる。
    那須凜さんみたいな彼女がいれば楽しいだろうな。

    客は入っているが空席もある。役者や養成所の人が多い感じ。65分。1時間位の芝居を気軽に観れる感覚が良い。演じたい役者、演出したい演出家、観たい観客がぶらっと集う空間。名画座みたいな雰囲気。
    是非観に行って頂きたい。

    SION 「早く帰ろう」

    そう言えば10年前、朝のラッシュに我慢出来ずに
    せっかく決まった会社の書類をゴミ箱に投げ捨てて
    どっかへ行っちまったあいつは一体どうしてるだろ?
    もしかしたら隣の車両で黙って目を瞑ってるかも知れない

    ネタバレBOX

    延増静美(えんそうきよみ)さんはラスト近くにチョイ出演。

    東日本大震災の被災地で全てを失った男が自分の心を取り戻す為に長い長い真っ暗なトンネルを歩き続ける物語。白石和彌の『凪待ち』に近い感覚。ラストは西原理恵子の『パーマネント野ばら』なんか思い出した。

    劇中劇として『永久なる湊』が挿入されている。那須凜さんが永嶋柊吾氏に紹介する小説の内容として始まる。那須凜さん自身が80歳の清子婆さんとなるほぼ一人芝居、場内をぐっと沸かす。登場する白菜の古漬け、メヌケのアラ、味噌等を酒粕で煮る郷土料理、「あざら」が気になった。
    この話の嵌め込み方が難しい。現実と同時進行にして点々と描写した方が効果的かも。ちょっと観ている方としては構成が唐突で違和感も。

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