田中麗奈

田中麗奈 田中麗奈(たなか・れな) 1980年福岡生まれ。女優。1998年に映画「がんばっていきまっしょい」でデビューし、その年の新人賞を総ナメにする。代表作に「はつ恋」、「夕凪の街 桜の国」、「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ等がある。連続テレビドラマでは「猟奇的な彼女」(TBS系/2008年4月)に主演したばかり。中国の連続テレビドラマ「美顔(メイイェン)」、台湾映画「幻遊伝」に主演するなど、アジア進出も果たしている。

デビュー10周年を迎え、初めての舞台出演

インタビュアー

 舞台に立つ決心をしたきっかけを教えてください。

 
 

 先輩の役者さんの中に舞台が好きな方が多くて、お話を聞いている内に自然と興味が沸いて、わくわくさせられていて。「舞台って、いいな」という気持ちがずっとありました。でも自分に近いものだと思えるまでに時間がかかりましたね。
 舞台に立つことは私の中ではとても勇気がいることで、自分のキャリアにおける大きなステージだとも思っていたので、すぐにというわけにはいかなかったんだと思います。最近になってやっと声に出して「舞台をやりたい」と言えるようになりました。

田中麗奈さん
インタビュアー

 舞台が好きな役者さんというと、例えばどんな方から影響を受けましたか?

 
 

 堤真一さんの影響が大きいですね。舞台でのお芝居の難しさ、面白さを体全体で実感されている方で、そういう熱意に動かされたんじゃないかと思います。
 舞台俳優の方々が仲間同士で演劇の話をされているのを聞いて、うらやましかったのもあるんですよね。「やっぱり舞台はいいよ!」とおっしゃる方も多くて、それを体感してみたいというのもありました。

田中麗奈さん

稽古場はすべてが新鮮で、楽しい

インタビュアー

 舞台『思い出トランプ』の本番まであと約2週間ですね。お稽古はいかがですか?

 
 

  すべてが新鮮で、すごく楽しいですよ!演出の田村さんは的確にダメ出しをしてくださるので、毎日毎日、課題も明確にあるし。その場ですぐ解決できないことは家に持って帰ってしっかり考えて、次の日に試します。そうやって新たに試していけることが、また楽しかったりするんですよ。
 自分が演じるだけではなく、他の役者さんの演技を見る機会もたくさんあって勉強になります。作品を色んな目線で見つめながら、時間をかけて作っていく。それをもっともっと高めていくことができる。基本的にお稽古は好きですね。

田中麗奈さん
インタビュアー

 共演者との意思疎通も上手くいっているようですね。

 
 

 皆さん、心底お芝居が好きなんだなって思います。お互い全然違うところで生きてきて環境も違うけれど、向かっている先や、心の真ん中の部分で一緒になれる。お芝居が好きだという気持ちで、つながれるんだと思います

田中麗奈さん
インタビュアー

 演技の面で、映画やテレビと違うところはありますか?

 
 

 映像の演技では何より瞬発力が要求されると、たしか田村さんがおっしゃっていたんです。言われたことを、その場でパっとできるような。そういえば映像の時はすごく集中していて、瞬発力を使っているなと自分でも思います。でも舞台のお稽古では、瞬発力以外のところも使いますね。表面だけではない、エネルギーがものすごく必要だと思う。

田中麗奈さん

自分自身が強くなって、たくましい女性を演じたい

インタビュアー

 麗奈さんが演じるのは、6歳の息子を持つ英子(エイコ)役。思わぬ事件が起こって、つらい状況に置かれる女性ですね。

 
 

 はい、とても厳しい立場に追いやられます・・・。英子はいわば突発的な“事故”に遭うんですが、それが自分のせいで起こったことなんです。それでも、まっすぐに自分の道を歩き続ける人。本当の意味で、ものすごく強い女性だと思います。私自身の強さとは比べ物にならないほどの。
 だからこの作品に関わっていくことで私自身が大人になって、もっとたくましくなっていかないと。そうやって線を太くしていくことが重要じゃないかと思います。ちゃんと英子を体感しながらお稽古して、実際に自分が強くなって、本番で演じられるようにしたいですね。

田中麗奈さん
インタビュアー

 明確なビジョンを持って役作りをされているんですね。

 
 

 英子像については田村さんと話し合っていますし、先輩の役者さんたちにアドバイスをいただいたりもしています。英子の強さと生活感を出して、姑役の根岸季衣さんとの対比も鮮明にするために、子供に強く当たる母親像を作っているところです。

田中麗奈さん
インタビュアー

 この舞台の見どころはどういったところでしょう?観客へのメッセージをお願いします。

 
 

 この作品には女性がたくさん登場します。女性の優しさ、たくましさを見ていただいて、どこかでぐっときたり、共感してもらえたら嬉しいです。
 そして家族との何気ない会話に、温かい思いがいっぱい詰まってるということを、舞台で探してもらえたらいいなと思います。例えば「おかえり」とか、「ただいま」という他愛ない挨拶の中にも、「元気だして!」「あなた、がんばって!」という、誰かを思う気持ちがこもっているんですよね。

田中麗奈さん

いつかは時代ものの人情喜劇がやりたい

インタビュアー

 いままでに出会った舞台作品の中で心に残っているものは?

 
 

 東京に来て初めて舞台を観たのは、たぶん19歳か20歳のころ、場所は銀座だったと思います。中村勘三郎さん(当時は中村勘九郎)と柄本明さんが出演する時代もののお芝居でした。大きな劇場でお客さんもいっぱい笑ってたし、幸せな出会いでしたね。
 勘三郎さんと柄本さんの掛け合いが本当に面白くて、笑い過ぎて涙が出るぐらい。それに男性がすごく色っぽいんですよ。見栄っ張りで、強がりで、友情に厚くて、そして女に弱い(笑)。アドリブもあって、舞台上から私の名前を言ってくれたりもしたんです。お客さんを巻き込んでいく“生(なま)”な感覚は、テレビでは見られない凄い瞬間でした。

田中麗奈さん
インタビュアー

 これから舞台でやりたいことは?

 
 

 勘三郎さんと柄本さんのイメージが強く残っているのもありますが、時代ものの人情喜劇がやりたいですね。どんな時もカラっと明るく笑えちゃうような、たくましい女性を演じてみたい。表面的な強さじゃなくて、自分の足でしっかり歩いている女性。そういう役も演じられるようになりたいなと思います。

田中麗奈さん
インタビュアー

 青山円形劇場は舞台と客席との距離がとても近い劇場です。麗奈さんの繊細な美しさ、そして新しく獲得したたくましさを間近で感じ取ることができる、とっておきの機会ですね。ライブで麗奈さんの演技が観られるのを楽しみにしています。

 

 ジムで運動して汗を流して、その後にバブルバスに入る時!
ぶくぶく~っていう泡に包まれて、「しあわせだな~、ちょっと嬉しい♪」って思います(笑)。

向田邦子生誕80周年記念・青山円劇カウンシル#2 ~Relation~
ONEOR8プロデュース「思い出トランプ」(CoRich内 公演情報
思い出トランプ 「向田邦子の13篇の短編小説を1つの物語に新構成。
 デビュー10周年を迎えた女優・田中麗奈の初舞台!」

小さな出来事たちに大きく心をゆすぶられる人々の愛すべき姿。
市井の生活者の機微を活写した
向田邦子の傑作短編集「思い出トランプ」を
田中麗奈主演、田村孝裕(ONEOR8)のオリジナリティあふれる
脚本と演出で初舞台化。

【原作】向田邦子「思い出トランプ」(新潮社刊) 作・演出:田村孝裕(ONEOR8)
【出演】田中麗奈/根岸季衣/八十田勇一/宮地雅子/弘中麻紀/中島愛子/野本光一郎/恩田隆一/和田ひろこ/冨田直美/阿知波悟美/山口良一

期間 2008年10月10日(金)~10月19日(日) タイムテーブル
会場 青山円形劇場
チケット 一般発売日:9月13日(土)10:00~
前売5,500円 当日6,000円(全席指定・税込)
未就学児童は入場不可。
お問合せ先 エムエイチ企画内ONEOR8(ワンオアエイト)
TEL:03-5466-7345 FAX:03-3486-6416
劇団公式サイト http://www.oneor8.com/cn12/index.html

取材・文:高野しのぶ/撮影: 間瀬修/スタイリスト:高見佳明/ヘアメイク:小林友香

 

CoRich 総合トップ CoRich 舞台芸術!