
映像都市
“STRAYDOG”
赤坂RED/THEATER(東京都)
2025/02/05 (水) ~ 2025/02/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
1970年代前半、日本映画の低迷期が舞台。映画好きの主人公の過去と現在を行き来し、その哀感と郷愁が相まって叙情豊かな物語を紡ぐ。時代背景には、素朴な日本の原風景と高度成長期へ といった過渡期の世態が垣間見える。脚本(物語)は、斜陽した映画館の中で、若かりし頃の思い出(夢想)に浸っている といった閉塞感を漂わせている。一方、演出は歌や踊りを交えエンターテインメントとして楽しませる。この哀歓するような世界観が好い。
また舞台美術が秀逸で、時代と心情を巧みに表出し 情景も鮮明に映し(描き)出す。その光景は、現在を1970年代前半とすれば、子供の頃は戦後間もない混乱期、青年期は映画全盛期といったことが分かる装置になる。薄昏い中で 手際よく場転換をするが、それによって集中力が途切れることはない。そして この劇場を映画館に見立て、観客を劇中へ誘い込むようなリアリティ。
登場人物は個性豊かな人々で、その化粧や仕草 そして衣裳に至るまで観(魅)せ楽しませる。本筋は、主人公が過去の自分と向き合い、映画こそが生き甲斐だと改めて知る。しかし衰退していく日本映画、それに伴って地方の映画館の行く末も知れてくる。笑い楽しませる中だけに、主人公の悲哀が際立ち印象深くなる。実に巧い。
(上演時間1時間45分 休憩なし)【Aチーム】

平和によるうしろめたさの為の
城山羊の会
小劇場B1(東京都)
2024/12/04 (水) ~ 2024/12/17 (火)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
下北沢小劇場B1公演が早くも完売、並ぶ時間の取れた楽日前日、余裕で何時間か前に着いて、と目論むも何のかので到着が開演一時間前。見ればキャンセル待ちの列が予想外の長さ(十数名いたか)しかも周辺に望みを掛けて来たらしい面々がすぐには帰らず滞留し、活気付いていた。
そんな事で今回の配信を有り難く拝見す。相も変わらず男女の際どい綱渡り(要は不倫)ネタでやはり笑わせる。芝居的には飛び道具福井夏に古館氏、常連岡部たかしとキャラも生かして美味しい事この上無しだが、早々に完売は劇場のキャパより出演陣かな。
城山羊の会初見の時は芝居のリアリティの欠如(強引に無茶な展開にしてる。で、観客の乾いた笑いもヤだった)を酷評したものだが芝居が良くなったのか自分の間口が広くなったのかで言えば明らかに後者(と思う)。

おばぁとラッパのサンマ裁判
トム・プロジェクト
紀伊國屋ホール(東京都)
2025/02/03 (月) ~ 2025/02/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
いまや、チョコレートケーキは作・古川健、演出・日澤雄介のコンビで、現在の硬派現代劇の代表選手になったが、一方でトムプロジェクトが支えるプロジェクト作品では、かなり大衆的な味付けで現代劇の制作を続けている。両者の関係は外からはうかがい知れない企業秘密なのだろうが、大劇団だって、本公演と、地方巡業作品や児童向け学校向けがあるのだから、演劇で生きていくためには必要な営業手法なのかも知れない。
それにしては、この作品は沖縄問題真っ正面だから、どうなっているのだろうかと見物に行った。かねて見立てていたとおり、この「トムプロジェクト・作品」はチョコレートケーキとはかなり肌合いが違う。共通の課題の沖縄問題では数年前の「ガマ」とは違うタッチである。こちらは小劇場出身とは言え、もう誰でも知っているベテラン女優の柴田理恵が、おなじみのキャラで沖縄の糸満の初老の魚売りを演じる。生活を守るために目先の利益だけが確かな当てだと言いながら地元の弁護士のセンセイ(太川陽介)と組み、ついには地元の裁判所の判事とくんで占領軍政部に一泡吹かす。戦後の沖縄返還が成立する前の60年代の実話がベースになっている。
沖縄の反米、反政府問題のベースになりそうな話を基に、島の生活に埋まっていた地元のサンマにかけられた関税問題を地元の生活と支配者という関係の中であぶり出す。1時間40分。親しみやすい語り口で、チョコレートケーキの素材にもなりそうな話ながらこちらは軟派である。なるほど、内容だけでなく客層もこういう割り振りで制作しているのかと解った。キャストでは柴田、太川、大和田はテレビでも顔なじみ、五人のキャストでもよくわかるように本はよくできている。残念なのは、この事件70年ほどまえの実話で、今の沖縄問題の原点でつながるところがあるとは言えるものの寓話的に見えてしまう。そこもトムプロジェクトの狙いかも知れない。

骸ノ巣
夢腐論
アトリエ昭和薬局前(愛知県)
2025/01/31 (金) ~ 2025/02/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ありがとうございます。
自分は、『腐』の方、見させていただきました。
場の雰囲気が何とも言えず、
謎めいて異様、妖しさもあったけれど
どこかしら懐かしさのようなものも感じられて
まるでおとぎ話のようでした。
他の結末がどんなだったのか興味深いです。

神様の思し召し2025
ハルベリーオフィス
溝ノ口劇場(神奈川県)
2025/02/05 (水) ~ 2025/02/09 (日)公演終了

DANGAN
ターリーズ
早稲田大学学生会館B203(東京都)
2023/11/09 (木) ~ 2023/11/12 (日)公演終了

タはターリーズのタ
ターリーズ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2024/03/15 (金) ~ 2024/03/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
『家庭訪問は雑然に』
初期の明石家さんまみたいな峰岸航生氏がツボ。ずっと目を閉じて片足立ちさせられる堀井夢香はよく耐えたと思う。
『百獣将軍チアキング』
能見千秋氏がとても愛されていることがよくわかる。完全に内輪ノリだが、腹を抱えて爆笑した。
『シン・ジジイ・オブ・ザ・デッド』
きょ〜じゅ。の「ジジイ」役がとても素晴らしかった。
『ファはファンシーのファ2024』
今公演の目玉。山咲演じる中年刑事役が様になる。

『パラレルワールドより愛をこめて』 『パラレルワールドでも恋におちて』
ザ・プレイボーイズ
シアター711(東京都)
2025/02/02 (日) ~ 2025/02/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/02/05 (水) 15:30
座席1階
パラレルワールドとは、「もしあの時この選択をしていたら人生違っていただろう」というような、現実で選択しなかったルートを指す。今回は2部作のうち「恋に落ちて」の方を拝見。パラレルワールドを独自の解釈で展開していく舞台に引き込まれた。
芸人の彼とつきあっていた3人の「私」が、何が「別れる」という引き金を引いたのかなど、パラレルワールドで調べていくというのがおもしろい。帯金ゆかり、まちだまちこ、砂田桃子の3人がそれぞれ個性的な演技を披露するのも見どころだ。
最初に登場する「私」(まちだまちこ)は冒頭で彼に別れを告げられるのだが、何でこういうことになるのか、理解できなくて怒りが募る。そこにもう1人の「私」(帯金ゆかり)がでてきてパラレルワールドに誘う。
パラレルワールドでのできごとは作者の善雄善雄の頭の中の妄想だからどんな展開でもよいのだが、これが意表を突く場面もあってかなりおもしろい。ラストの結びも「なるほど、そうこなくっちゃ」という展開でとてもよかった。ただ、せっかくとてもよい結末だったのに、その幕引き場面でオリジナルソング?の絶叫系「パラレルワールドミュージック」はやめた方がよかった。客席は、劇作家が思う以上に真面目にこの物語に没入していたと思う。
3人の女性俳優のうち、マシンガントークで舞台を引っ張る帯金は迫力満点。若さ全開という感じで思わず食い入るように見てしまった。
あと、主宰者による前説はもっと短くていいかな。「前座」の扱いだったのかもしれないけど。
次回作が楽しみな「ザ・プレイボーイズ」である。

飲みかけのトロピカーナ
ターリーズ
イズモギャラリー(東京都)
2024/06/19 (水) ~ 2024/06/21 (金)公演終了

尾﨑優人ベストセレクション一人芝居 ボンバイエ
優しい劇団
ニュー・サンナイ(東京都)
2025/01/25 (土) ~ 2025/01/25 (土)公演終了

みちなる
ひなたごっこ
元映画館(東京都)
2024/09/11 (水) ~ 2024/09/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/09/15 (日) 18:00
超高速回転演劇。音楽の生演奏には泣きそうになった。山本愛友の表情の豊かさに強い印象。映像の使い方がよくわからなかった。

かみ
中野坂上デーモンズ
ときわ座(東京都)
2024/10/23 (水) ~ 2024/11/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
当日券で観劇。モヘー節は鳴りを潜めるも、「え?」の応酬など曖昧な言葉の感覚は健在。
キキ花香さんが演じる役のちょっと嫌~な感じがたまらない。
歌川さんの空回りする母親役のいたたまれない感じが忘れられない。

土に還る
劇団青桜
新宿眼科画廊(東京都)
2025/01/25 (土) ~ 2025/01/28 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/01/26 (日) 19:00
「青と秋」ラノベ原作アニメ風のコメディシーンを前フリ。中学から大学まで絶妙なバランスで成り立っていた青と千秋は、あるときを境に断絶を始める。あまりにも永すぎたモラトリアム。女子大生ダーク百合(?)残酷物語。

だいたいみんな躍ってる2024
ユトサトリ。
小劇場 楽園(東京都)
2024/09/11 (水) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

こどもの一生
あるいはエナメルの目をもつ乙女
インディペンデントシアターOji(東京都)
2024/05/15 (水) ~ 2024/05/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
激強役者8人のパワー!ラストをさらっとすることで後味をよくする演出もgood
この公演を観た人が今後「こどもの一生」を上演するときは「エナメル」版を乗り越えないといけない。

逆VUCAより愛をこめて
劇団スポーツ
駅前劇場(東京都)
2025/01/31 (金) ~ 2025/02/02 (日)公演終了

ナイトーシンジュク・トラップホール
ムシラセ
新宿シアタートップス(東京都)
2024/07/16 (火) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
渡口和志、高野渚、大野瑞生ら吉本興業俳優班所属の3人をフィーチャーしたプロダクション。高野渚を活かす演出の腕が光る。もちろんいつものムシラセファミリーも総出演で華やか。

不正に集めたベルマークで
ドアとドアノブとドアノブカヴァー
OFF・OFFシアター(東京都)
2025/01/31 (金) ~ 2025/02/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/02/01 (土) 14:00
劇団名から察せる通りの「バカバカしい」作風のコメディ。全身の力を抜いて演劇を観たいときにおすすめかも。

Under the North Stream
ターリーズ
OFF・OFFシアター(東京都)
2025/01/24 (金) ~ 2025/01/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/01/25 (土) 12:00
ベストパフォーマンスとは言えなかったが、役者の熱さは健在。ストーリー展開にムラがあったと思う。
新投入の斎藤大學は説得力強い。昨年9月に続き起用の林里咲はすでにターリーズファミリーに馴染む。活動休止直前の堀井夢香をよく目に焼き付ける。沼きなこのコメディウーマンぶりに脱帽。エンクラ新一期生の山本柊平はキーパーソンを務め今後も注目。

ごはんが炊けるまで(仮)
演劇企画アクタージュ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2025/01/30 (木) ~ 2025/02/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/02/03 (月) 16:00
結婚をうっすら考えはじめたカップル、直人と結。
ある日結にせがまれ、家族を紹介することになった直人。
実家に招き家族だと紹介するが、その家族には何か違和感が、実家の家族とは真っ赤な嘘で、家族に対していろんな想いや問題を抱えている人達が集まり、年齢もバラバラな人達で構成される和式の家をシェアするシェアハウスではなく、各々が家族の役割分担を持つゆるい擬似家族だということが結にバレるまでのその場しのぎで何とか無理にでも結を騙しきろうと四苦八苦する直人たちのズレた会話が、劇前半から中盤にかけての、ハラハラドキドキ感満載のシチュエーションコメディで大いに笑えた。
劇中盤から後半にかけては、擬似家族において長男を演じる智陽が実は離婚してたのは真っ赤な嘘で、本当はまだ奥さんがいた上、擬似家族で我儘でぶりっ子な典型的な、いや寧ろそんなに若くも見えないのに痛い末っ子役を演じる杏と2人で肩くんで楽しそうにベタベタと歩いているのを智陽の奥さんに見つかり誤解され、擬似家族がシェアする和式の家の中に居座られたり、それまで優しく可愛らしかった直人の彼女の結が、直人が自分を今まで擬似家族を実の家族と騙していたことが分かり、劇終盤において、それまで我慢に我慢を重ねていたが、ついにブチ切れ、擬似家族を構成している人達を徹底的に糾弾し、直人も追い詰めるという豹変ぶりで、今までとは打って変わって、激的な場面が幾度となく展開し、スピード感があって眼が離せなくて、擬似家族の人達のそれぞれの主張も飛び交い、なかなかの観もので迫力があり、思わず自分が劇中にいるかと錯覚させられるほど、作品世界に引のめり込んだ。
あと、お隣さんの詩織がふてぶてしく、図々しく擬似家族の和式の家に居座って、長椅子に座ったり、漫画読んだりと他人の家なのに自由過ぎるのだが、何処か憎めない雰囲気で、観ているとついつい気になり、なかなか面白くて、原田桃さんが演じていたが、印象に残った。
実は、結の両親は○○で、だからそれが悩みでなど、それぞれの余り他人に言えない秘密や問題を抱えていて、擬似家族という在り方を通して、擬似家族が使う家を通して、世の中で言う『普通』とは何かに鋭く切り込みつつ、大いに笑えるコメディとして楽しみ、多様な「家族」の在り方について考え、一般的なイメージや世間が押し付ける「家族」概念に疑問を持つことの大事さ、少数派の意見を排除しない共生社会について、この疑似家族と直人、結を通して、もっと私達の身近に起こりうること、或いは起こっていることとして考えさせられる物語だった。