月とテロル 公演情報 神様プロデュース「月とテロル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    虚構化の表現力
    「人間は所詮、記号でしかない」という言葉が良く使われています。

    記号の意味するものは?

    って・・堅く考えていたら、この物語の登場人物は、タロットカードの大アルカナ22枚を象徴する22名という事で、タロットの表す月をイメージして作ってるみたい。。

    もっとも、ワタクシ、タロットは良く知らないんだよね。。





    小早川春人は、売れていない作家(=アルカナ「18.月」)です。
    彼は、彼の目を通して見た、自分の周囲を物語にしようと試みますが、出版社にダメ押しされ、その作品の評価に一喜一憂します。


    出版社からは見放され、絶望の果てにとあるテロ事件を起こします。

    それは抑圧された自らの思想を主張するための最終的な強硬手段でした。

    結局彼は、自ら輝くことの出来ない、けれども夜空に燦然と君臨するタロットの「月」ですが、それは太陽の存在によって照らされている。という事に気がつきます。。

    最終的には大した要求もなくテロ事件を起こし、自害しますがそれまでのスピードある展開やコミカルな会話劇はセンスがあり、場面場面での面白さも観ていて飽きないし笑える。


    この物語は現実とは程遠い虚構化する表現ということだが、そもそも、劇自体が虚像でしょ?

    どうせ嘘話なら、最後の終わり方に気を使って欲しいよね。

    ・・つまり作家はピストルで脳を撃って自害するわけだけれど、そこには希望が全然ない。


    観客の好みにもよるけれど、ワタクシ達が何のためにわざわざ時間を作って観に行くか?


    2時間という時間の枠の中で夢や希望や楽しさや・・ほろりとした温かいものに満たされて明日の意欲に繋がる訳でしょう?


    最後があれで満たされる?
    そこに夢や希望やファンタジーがあるの?



    「作品と自分(主観)の間に一線を引くことがとても難しいのです。 」って脚本家の言葉だけれど・・・


    小難しい事は考えず、あれだけの早いテンポとセンスある笑いを提供できるなら、終わり方も考えて欲しかった。(・・)


    っつーことで、嗜好に合わなかったのは最後だけ。
    他は良かったっ!(^0^)





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    2007/10/04 18:31

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