海底骨歌 公演情報 新宿梁山泊「海底骨歌」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/10/17 (土) 19:00

    座席1階

    当たり前かもしれないが、5月に花園神社で行われたパイロット版のテント舞台より格段にグレードアップしていた。満足度はとても高い。赤坂の借景が物語を美しく染めていた。山口県の現場の砂浜でもテント上演をしたとのことだが、この舞台の借景はきっと海だったろう。ぜひ見たかった。

    戦時中の1942年、海底の石炭を掘る山口県宇部市の長生炭鉱で「水非常」、水没事故が起き、183人が犠牲になった。その大半は、朝鮮人労働者だった。民間団体主導で歴史の発掘が進み近年、ピーヤと呼ばれる海面に突き出した筒状の入り口からダイバーが入り遺骨の一部を引き上げた。日韓合同の追悼も行われ、現場に追悼碑が建てられるまでになったが、日本政府はD NA鑑定や国が関与しての遺骨収集に後ろ向き。「遺骨を祖国に帰したい」という関係者の願いを阻んでいる。原作のパギヤンはパイロット版で提示した「海底に埋もれた骨がその人生を語る」というスタイルを踏襲。長生炭鉱を取材する新聞記者を骨たちと今をむすぶ舞台回し役として展開した。

    何よりよかったのは、長生炭鉱だけでなく当時相次いだ各地の炭鉱事故の犠牲者たちも登場させ、その人生を語ったことだ。犠牲者たちは単なる数字ではなく、それぞれの人生、家族、将来、夢があったということを、演劇としてわかりやすく提示した。今も世界各地で続く戦乱や災害の犠牲者たちのそれぞれの思い、人生に思いを馳せるきっかけになる。

    ラサール石井が重要な役どころを演じ、コリアン楽団が舞台脇で実にしっくりくるメロディを奏でた。歌や踊りも多く盛り込まれ、ミュージカル的要素も客席の若者を惹きつけたと思われる。

    長生炭鉱をテーマとした演劇は他にも見たが、やはり新宿梁山泊でなきゃ、という出来栄えだ。ちなみに、舞台回しの記者は、この問題を熱心に追い続けている東京新聞という設定だった。確かに特報部の担当記者は熱心だが、舞台取材を担当する文化芸能部は何をしているのか。長生を追う東京新聞として、今からでも遅くないからこの舞台を取材して記事にすべきだ。

    ネタバレBOX

    舞台中、スマホで写真や動画を撮り続ける男性がいた。ここまで恥知らずな観客は長年の観劇歴でも見たことがない。とても残念だった。

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    2026/10/17 22:11

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