箱館に眠れ ーピリカと白虎ー 公演情報 劇団B♭「箱館に眠れ ーピリカと白虎ー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    最初と最後のシーンに演出のトラ丸(伊藤 順)さんが出演し、孫娘とのボケとツッコミの漫才のような始まり方。これが全体の世界観を表しているようだ。ただ 全編にわたって もう少し笑いがうまく決まれば 惜しい。
    物語は、副題にあるピリカと白虎の話を交差しながら展開していく。時は江戸から明治へ、その間に起こる戊辰戦争を背景にしている。

    マキリ---アイヌの人々が使う小刀を介して、蝦夷の地 アイヌコタンと和人が住む会津(白虎隊)を繋げ、それぞれの未来(生きること)を模索する。今回 初挑戦となる殺陣シーンも それぞれの地での戦いを重ね合わせることで厚みを持たせている。
    (上演時間2時間 休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は 後ろに人が通れる大きさの額縁枠が3つあるのみ、上演前には幕が被せられている。トラ丸さん曰く 古い写真だと説明しているが、最後は絵であることが分かる。シルエットに映る人物は誰なのか、それが物語で紐解かれていく。舞台前方は広い空間、そこで殺陣シーンを観(魅)せる。上演前は海鳥の鳴き声、そこは蝦夷の地 箱館である。

    幕末 会津戦争に出陣した若い武士が 何らかの事情で箱館に上陸し、榎本武揚率いる幕府軍に編入されている。いつの間にか道に迷いアイヌの人々がいる集落に迷い込む。そこでアイヌの人たちと話を交わし、少しだけ知り合いになった。アイヌ民族は松前藩に虐げられ 和人を信用していなかった、一方 幕府軍は戦闘員としてアイヌ民族を味方に引き入れたかった。そこで会津の若武者たちに その(仲介)役を担わせたが…。

    会津では落城寸前、女たちの選択が迫られている。薩長に捕らわれ辱めを受けるよりは自害を選ぶ者、薙刀をもって戦闘に加わる者など、史実に近い話を盛り込むことで臨場感を漂わせる。知られた話として、武装女性部隊「娘子隊」は 薙刀を手に新政府軍と戦闘。一方 足手まといになることや辱めを避けるため自刃したといった悲劇 などである。

    箱館では幕府軍がアイヌ民族を巻き込み、蝦夷の地を開拓し新世界を築こうとする。しかしアイヌ民族の和人に対する恨みは深く容易に承諾しない。やがて兵刃を交えだすが、それを止めようとした若武者が犠牲に、そして会津では母と姉が戦禍で命を落とす。この2つの場面を巧みに交差させた殺陣シーンが良かった。殺陣シーンを通じて母・姉と息子/弟の情愛がしっかり刻まれる。

    ラストは、再び冒頭のシーンだが孫娘は登場せず、既に3年前に亡くなっていると。物語は爺の妄想なのか夢オチなのか、史実を盛り込みながらも現実離れした話(ファンタジー)は、笑いと泣きが適度に交わっていた。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2026/10/10 16:24

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