阿呆船 公演情報 池の下「阿呆船」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    失笑の類のおかしみ
    「阿呆船」とはありとあらゆる種類・階層の偏執狂、愚者、白痴、うすのろ、道化といった阿呆の群がともに一隻の船に乗り合わせて、阿呆国ナラゴニア(ここでは地獄)めざして出航するという内容である。多種多様の阿呆どもの姿を謝肉祭の行列のごとく配列して、魅せる描写は滑稽で皮肉な諷刺絵のごとくだ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    芝居が始る前の舞台には地獄絵やカトリック教会の退廃・腐敗の図を映し見せていた。キリストの七つの大罪をそのまま地で行くあらゆる欲などが諷刺されており、その描写は「狂人教育」と似ていた。

    衣装、音響、照明ともに夜のサーカスをイメージさせる滑稽でユーモラスなアンダーグランドはそのまま、観客まるごと「阿呆船」に乗っかってるような体感で、どっちが阿呆なのか解らないくらいだ。笑

    キリストの最後の晩餐を思わせる見せ場、十字架を背負ったキリストの描写は、やはり、この劇そのものが罪と罰を意識した芝居なのだと思う。操っていると思っていても操られている現実や、眠り男と対比するもう一人の男の存在が面白かった。

    「阿呆船」のラスト、「人動説」の見果てぬ夢を見て、その時代へ旅立とうとするエンディングの場面はパラダイスな魔法の国の遊園地のようで好きだ。


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    2011/03/17 23:21

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