ライフ イズ ビューティフル 公演情報 よた「ライフ イズ ビューティフル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    公演は二部構成といった印象、しかし有機的な繋がりか感じられないのが惜しい。キャストは3人で、前半は観念的・抽象的な観せ方で、抑揚をおさえた台詞回し。3人の淡々とした演技、訥々とモノローグで語りかけるといった対位的会話。台詞に音楽が被り聞き取り難いが、敢えて非演劇的な演出にしているのだろうか。そしてキャストの1人 吉田萌乃さんのスロー/パフォーマンスは何を表現(意味)していたのか。

    前・後半の転換は 唐突にキャンプ時のような歌や合奏(ランタンを囲んで ギター、マンドリン、トライアングル)が入り、後半は 物語が始まり 和声的会話で紡ぐといった展開。公演は「太宰治の『人間失格』を大胆に換骨奪胎、再構成」して描く とあった。「人間失格」と言うと「道化」という言葉を思い出す。主人公の 他者や世間に馴染めず自分を偽り続けた姿を通して、「人と人との繋がりの難しさ」「生きることの孤独」を描いていたと思う。公演は、どちらかと言えば小市民の平凡でささやかな暮らしの中に幸せがあるような。そこにライフ イズ ビューティフルを感じる。

    前半と後半の描き方、その違いを面白いと感じるか否かで評価は違うだろう。その意味では観客を選ぶ公演だと思う。自分は前半が観念的過ぎて、それが冗長に思えたのが勿体なかった。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は床に白線で直線や曲線を描き、それが人生行路のように思えた。敷かれたレールの上を歩むのか、道を外すのか まさにラストシーンにある人生ゲームそのもの。上手は音響・音楽や照明操作といったスタッフブース、後ろの壁に椅子や小物が入った箱。下手に衣裳掛けがあり場面に応じて衣裳替えする。

    前半は、後半で紡ぐ3人のそれぞれの心情吐露といった感じだが、その具体的な内容は解らない。人は生きていく中で、知らず知らず或る立場になり演じている、それは本意であろうとなかろうと自分自身に変わりはない。どんな苦悩や葛藤があろうとも生き続けているうちは、道化を演じている といったことを言っているのだろうか?

    後半は同棲しているカップル、そして彼女が勤めているショップの店長。店長が彼女に向って 何度か「生きていて楽しい?」と聞く。規則正しく淡々とした暮らし、その刺激が少ない生活に張り合いがあるのか。逆に言えば刺激だらけの生活は、それが当たり前になり刺激とは何ぞや といった哲学問答が繰り返されそう。まだ何も起こらない<何か>に期待して生きている。その繰り返しは、他者に対する恐れと同時に関心であり期待でもある。

    劇中で、ダ・ダ・ダと同じ音を繰り返えす、それは軍靴の響きで それが聞こえなくなると…。そこに 自分の内に籠って道化を演じているだけでは、社会(世相)に疎くなり危うくする。物語は日常であり非日常、それを行ったり来たりしながら、人間と社会を切り結んだ世界を垣間見せているようだ。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2026/09/08 12:38

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