Blue moment 2026 公演情報 Theater Company 夜明け「Blue moment 2026」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い、お薦め。
    2025年「Blue moment」の再演だが、少し尺が長くなり、その分 エンタメ性の印象が強く感じる。見事なブラッシュアップだと思う。物語の梗概は変わらないが、合奏や合唱そして群舞など魅せるを意識したような演出、それが情況になり情景を描いている。

    物語は、1人の男 光(コウ)の人生を、フライヤーにあるバイクのタンデムツーリングに準えて描いたロードムービーならぬドラマ。時代ごとに 光のエピソードを描き、その生き様を時系列の回想録のように展開していく。タイトルにあるBlueが物語の肝。

    物語は 「記憶と夢の中」といった台詞から始まる。人生は選択と決断の連続、光は思い立ったら後先考えずに行動する。その結果が良かろうが悪かろうが、その捉え方は本人次第。その時代の心情・心境をテンポよく描き、次の時代へ繋いでいく。2025年版では、光という一役を時代ごとに複数の役者が担い、変わらぬ性格等は一貫しつつ、成長とともに違った面を観せていたが、2026年版では1人(鍛代紘夢サン)が演じ切った。

    舞台セットの高低を活かした躍動感、音楽・音響(エキゾーストノート等)や照明の諧調で印象付ける。 何といっても舞台中央の重厚感ある「ロー&ロング」スタイルのバイクが迫力。
    ラスト、光の台詞が切なくも 救いになっているような…。今の若者、かつて若者だった人々にカタルシスをもたらすかのような好公演。
    (上演時間2時間25分 休憩なし) 【Blue】

    ネタバレBOX

    舞台美術は、左右から階段状にしたピラミット型で 頂上の下は出ハケの幕。その左右にも小さな幕。中央の出ハケを通ってバイクを出し入れ、左右の小さな幕は家の部屋であり秘密基地的な存在。天井は豆電球で夜空に輝く星。ピラミット型にした高低と、その前(客席寄り)を広いスペースにすることによって、上り下り、駆け回るといった躍動感を出す。それが、人生という旅(バイクが象徴)の疾走感を連想させる。バイクにうつ伏せている中年の男Kと不思議な少年Blueとの会話から始まる。タイトルの「Blue moment 」は夜明け前のわずかな時間だけ訪れる世界で一番最初の美しい瞬間 らしく、抒情的な説明はそのままスタイリッシュな舞台美術にあてはまる。そして そのわずかな時間の物語とも言える。

    当日パンフによると、物語は5つの時代「(幼少期~小学生編)(中学生編)(高校生編)(青年編)(夜明け編)」で、具体的な年代(1989年~2026年)まで記している。小学生の時に、光が見つけた父の浮気の証拠によって 両親は離婚。以来 女手一つで育てられた。中学時代は 初恋相手目当てで吹奏楽部へ、高校は 有名進学校へ1年遅れで編入学。高校時代に付き合った彼女(心臓弁膜症を患っている)の家庭は、新興宗教に入信しており、その教条から交際には反対。音大へ入学したが経済的に行き詰まり中退し 演劇活動へ。その活動は紆余曲折を経て、だんだんと軌道に乗り 忙しくなってきた。演劇を通じて知り合った女性と結婚したが…。付き合った女性は、年代順に「春」「冬」「秋」「夏」で四季を表し、人生の彩に準えた様な名前。良し悪しは別にして人生を彩るのは人との縁、それがあってこそ人の世は楽しくもあり悲しくもあり、そして切ない。その心情がしっかり描かれていた。

    妻(夏)が、劇団の男(武蔵)と一夜を共にしたことを告白、妊娠したが誰の子か分からないと…。バイクに乗って 暗転後、大きな衝撃音が響く。BlueはKに向かって言う、「お父さん、やり直したい時(代)はある?」の問いに、K=光は「ない」と答える。Blueは夏が身ごもったKの子。後悔のない人生だったのか、強がりなのかは判然としないが。恋に悶える者、自我と孤独な魂を持て余す者の心に響くような。しかし仕事や家庭の問題を すべて自分で抱え込み苦悩している。誰かに助けを求め 任せることも大切。主宰挨拶に「僕自身の人生や記憶を出発点に、フィクションとドキュメンタリーを織り交ぜながら」とあり、自戒を込めたところもあるのだろうか。

    轟くような重低音、眩しいライトを照らすバイクに乗って、会うことがなかった父と子が旅する回想は余韻に溢れていた。Blueが 見ることのなかった景色、それを父を通して追体験するようだ。風を感じてのツーリング…そして「風」は時代毎に色々な風が吹き、評判や悪評といった「風評」に変化していく。
    舞台技術は、合唱や合奏そして照明はスポットライトの多用で光の心情を強調する。後景は豆電球で夜空に輝く星々を煌めかせる。また群舞の衣裳は、浮遊感ある白い布地に青色、それは疾走するバイクから見える海と波のよう。演劇人の等身大の姿を抒情的に描いた公演。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2026/08/30 12:55

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