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文月奈緒子作品集『GO!』『ダウン』『スリップ』
観てきた!クチコミ一覧
クチコミとコメント
公演情報
いのちの洗濯劇場「
文月奈緒子作品集『GO!』『ダウン』『スリップ』
」の観てきた!クチコミとコメント
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角田(382)
満足度
★★★★
劇都仙台の裏バージョンです
全部がそうではないですが、ダーク、グロテスクです。
ネタバレBOX
(19:35-20:28/20:30-21:04/21:12-22:04)
『スリップ』『GO!』。休憩を挟み『ダウン』の順番に上演。
『スリップ』。舞台上には三人の俳優しかいないのに、戯曲上の登場人物は五人。さあどうなるか。
田島(舞台になる部屋の持ち主)
村上(最初の訪問者)
木村(交通事故を起こした人物)
マサミ(村上の婚約者)
田中(村上の知人)
映画『転校生』の大林宣彦的な仕掛けを、ある種ゲーム的に無制限に適応させた、性と死と暴力の狂騒曲といったところか。
当事者なのか第三者なのか曖昧な「あぶれ者」が瞬間的に生れ、ステージの隅で遊び始める所が面白い。
伝統的な怪談の「憑依」「キツネ憑き」の現代化ともいえる。
「永澤真美」さん改めて認識しました。
しかし時代が変わるのは早い。「性同一障害」は、病気ではないにしても先天的な障害で、保険はまだ利かないにしても「治療」という概念はありえる。
仙台有数のクラシック楽団のメンバーでも、勇気をもって「カミングアウト」した方がおられるそうな。
ただ、人に触れるとある変化が起きる、という仕掛けは、東京の「イキウメ」という劇団の『散歩する侵略者』という戯曲、劇で絶頂を迎えたでしょう。
機会があれば、お読みになってください。
『GO!』は方向音痴のドライバーが主役のコミックリリーフ(書下し)。
小学生に道を聞くエピソードはさすが。
『ダウン』。「春日町あんだあぐらうんど劇場」の再演。
こういう人たちの世界は、宮城野区の古い団地に現にあったりして。
「中産階級」的な仙台の社会(?)に痛烈な一撃、とでも言いましょうか。
人倫に反する、というか、文化的な侵犯がこれでもかと出てくる。
白い“キャニスター”を覗く場面があるのですが、お話しの内容の割りに入れ物が小さいので、いったい中がどんなことになっているのか考え始めると止まらない。
あの姉の嫁ぎ先がどんなことになっているのか、これも考え始めると止まらない。
どうしても江戸時代の南北とか残虐な錦絵を連想してしまう。まさしく日本の芝居だなあと。
この路線は、『東仙台物語』(未見です)の裏バージョンのような感じで推し進めて欲しいものだし、どなたかにも是非引き継いでいただきたい。
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2007/09/20 11:45
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