公演情報
加藤健一事務所「ジン・ゲーム」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
3年半振りにアルティでの公演、復活!
今回の作品は1976年9月にハリウッド(Hollywood)のアメリカン・シアター・アーツ(American Theater Arts)で初演され、1978年のピューリッツァー賞戯曲部門(Pulitzer Prize for Drama)を受賞したD.L.コバーン(Donald Lee Coburn)の作品。
D.L.コバーンは1938年8月、アメリカ合衆国(U.S.A.)、メリーランド(Maryland)州ボルチモア(Baltimore)生れの劇作家。1957年に高校を卒業後、1958年から1960年までアメリカ海軍(U.S. Navy)に勤務、1965年から1968年まで自身の広告会社を経営、1968年から1971年までテキサス州ダラスのスタンフォード広告代理店に勤務、1973年から1976年まではマーケティングコンサルタントとして働いた後、1976年に劇作家としてデビューした。2025年12月3日、テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)で87歳で死去。
「ジン・ゲーム(THE GIN GAME)」は彼の書いた最初の作品。上述したようにオフ・ブロードウェイで舞台化された後、1977年にブロードウェイ(Broadway)のジョン・ゴールデン劇場(John Golden Theatre)で上演され、1978年末までに517回の公演が行われた。1997年にライセウム劇場(Lyceum Theatre)で再演され、この時には最優秀再演作品賞(Best Revival of a Play)を含む数々のトニー賞(Tony Award)にノミネートされている。さらに、2015年から翌年に掛けても再びジョン・ゴールデン劇場で上演されている。
日本語訳は吉原豊司氏。1970年に住友商事駐在員としてカナダに渡航後、40年間カナダに在住し、日加演劇交流に注力された。カナダ・マクマスター大学名誉文学博士。2024年には第五十八回 紀伊國屋演劇賞の個人賞を受賞されている。
「ジン・ゲーム」は老人ホームのサンデッキで時間つぶしにトランプゲームを始めた孤独な男女が、ゲームの勝敗を巡って激しく対立し、互いの隠された人生をむき出しにしていくビター・コメディー。二人が戦うトランプゲームの名前がジン・ゲーム。一般的にはジン・ラミー(Gin rummy)で知られているゲームのバリエーションのひとつ。
今回の加藤健一事務所公演は124回目。6月11日から14日の新宿の紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAでの公演に続いて京都と加藤さんの出身地である磐田で一般公演が行われ、その他7月いっぱいまで静岡県・東北地方、大阪で会員制貸切公演が行われている。
主人公の一人、ウェラー(Weller)を演じるのは劇団主宰の加藤健一(カトケン)さん。彼の経歴については以前に書いたものを参照。
https://stage.corich.jp/user/218679/done_watch
相手役のフォンシア(Fonsia)を演じるのは竹下景子さん。知る人ぞ知る「三択の女王」。1953年9月名古屋市生れ。4歳から10歳までは東京都で育つが、小学校4年の時に名古屋に戻る。南山中学・高校から東京女子大学に進む。高校時代に女優としてデビュー。大学時代の1973年に本格デビューし、以後トップ女優を50年以上続けている。1984年に写真家の関口照生氏と結婚、二人の息子がいる(共に俳優)。
演出の小笠原響は、子供のためのシェイクスピアカンパニーなどで舞台監督・演出助手として演出の研鑽を積み、その後フリーの演出家として活動。2018年に読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。日本芸術文化振興会演劇分野プログラムオフィサーを務めた経験から、近年は劇場を拠点とした演劇事業にも関わり、地域の演劇振興に貢献。2024年、2度目の読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞している。
上演時間は前半が1時間10分で、15分休憩の後、後半35分の合計約2時間。2023年の6月から7月に掛けて東京下北沢の本多劇場で公演されたものの再演だが、今回は笑いだけでなく2人の過ごしてきた人生が伺えるようにアレンジされたそうだ(アフタートークでのお話)。めんどくさい老人を演じさせるとカトケンさんは天下一品だね。竹下さん、よく付き合ってくれました。
15分ほど空いて、そのまま舞台でのアフタートーク。お二人は「ジン・ゲーム」の黒いTシャツと白いパンツのお揃いコーデで登場。現在のアルティ館長の碓井智恵さんの司会で進み、会場からの質問コーナーもあり、さらに楽しく過ごせた。30分ほどで終了。まだ詳細は決まってないが、来年も京都公演が決まったとのことで嬉しい!
以上