空の下の約束 公演情報 劇団龍門「空の下の約束」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い、お薦め。
    さすが劇団龍門、社会派劇でありヒューマンドラマを硬軟織り交ぜて描いた秀作。説明では「都会の片隅にある『富山公園』に住み続けているホームレス」とあるが、台詞から東京の山谷が舞台になっていることが分かる。その地の歴史を通して 今ある貧富/格差・不平等・生き辛さ等を浮き彫りにする。同時に或る事情で関西から逃れてきた女性の出自から、特定の地だけではなく どこにでもある問題を示唆する。

    全体的に昭和という時代、そのノスタルジックを漂わせた公演。登場人物から「義理」や「人情」といった台詞が飛び交う。敢えて昭和から地続きの現代を風刺しているように思える。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は 後景にメッシュパーテーション 、その前にベンチ1つ。上手/下手は非対称の壁でその前にゴミの山。下手はブルーシート等で覆われたホームレス げん(村手龍太) さんの住処。この構図は龍門の基本型のよう。

    富山公園を再開発し 大手資本による商業施設を誘致する。そのためには住み続けているホームレスを退去させる必要がある。いろいろな事情を抱えた人々がいるが、個々の事情は深堀しない。敢えて 水商売を嫌って関西から逃げてきた女を匿う様に受け入れたことくらい。この女曰く 関西でもホームレスが住み続けている地があると。舞台のモデルと思われる「山谷」は、げんさん曰く「戦後復興、高度成長期を支えた人々が住んだ街」であり、今の日本(経済)の礎を築いた地でもある。土地には歴史があり、人の活気が息づいている。

    一方、ホームレスは生産性がなく人権など無いに等しい。行政は経済至上に則り、強制執行してでも立ち退かせようとする。ホームレスと国との板挟みになる区職員 たかいち の苦悩がリアル(リバタリアニズムの模索?)。生活保護や就職斡旋のような寄り添った対応、しかし立ち退きに応ぜず遅々として事は進まない。業を煮やした国は…。昔気質の極道や ヤクザから公務員になった男など、立場が人を作っている。アウトロー的な観点だが、けっして正邪/勧善懲悪といった描き方ではなく、自分の正義(信念)を貫けといった生き様を問うている。

    登場する一人ひとりの見せ場を作り、日常の暮らしを点描することで多様な人間模様を紡ぐ。人に個性があるように生き方も様々。げんさん流に言えば風の吹くまま気の向くまま、しかし空はどこまでも繋がっており、どこに居ようとも人の縁は繋がっている。
    何と言っても 区職員 たかいち さなえが捲し立てる激情が庶民の本音、そして切実な思いであろう。それにしても げんさんの機密事項は何だったのだろう、気になる。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2026/06/28 13:55

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  • 観劇ありがとうございました。
    素敵な感想です。

    2026/06/29 02:10

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