満足度★★★
分かり易いエンターテインメント作品
1台のピアノと1人の女性が3つの時代を越えて関係していく、スケールの大きな物語でした。大勢のキャストが所狭しと動き回って躍動感がありました。
中世の王族、現代の高校、未来の荒廃した世界を通して1人の女性が成長して行くのを描いた脚本は良かったのですが、テンションの高い台詞回しや、漫画的な極端なキャラ作り、直接的なギャグを多用する演出は子供向けの舞台みたいに感じられて、好みのタイプではありませんでした。
声を張り過ぎて何を言っているのか聞き取れない箇所がたくさんあったのが残念です。
音と動きが同期した最後のパフォーマンス的なシーンが解放感があって、とても素晴らしかったです。映像の使い方も効果的でした。
あの様な趣向の演出を最後まで取っておかずに、もっと色々な場面で観たかったです。
世田谷パブリックシアター&シアタートラムはアーティスティックな作品を上演しているイメージがあり、今回もそのような作品だと思って鑑賞したので、ちょっと肩透かしを食らった感じでしたが、分かり易くて安心して観ることのできるエンターテインメント作品だと思います。