満足度★★★
新しい時代の芝居
なんか久しぶりに「劇団」の芝居を見た、と思った。そうそう、そうなるよね、「劇団」はね。演技ウツるよね、とか…。劇団芝居、私は好きだ。
この芝居に新しいものは何もないけれど、「劇団」と「芝居」のアンバンドルが新しいとも思わないし、新しくなければ駄目だとも思わない。
演劇に歴史はいらない。いらないという言い方に語弊があるなら、演劇史に進歩史観はそぐわない、と言い換えてもいいと思う。こういう芝居を若い世代が再発見する、それを観客も再発見する。明るく、元気に。
とうとう芝居は、仮想敵を必要としなくなった。映画もマンガもアニメもテレビも、ただ共存するべき他者として、負い目も蔑視もなく存在する。芝居は、新しい古いという物差しから離脱して、芸術全般の潮流に合流しつつある。
地方の若い劇団がこういう芝居をするということは、そういうことだと思う。
2011/02/05 23:21
>演劇史に進歩史観はそぐわない
>とうとう芝居は、仮想敵を必要としなくなった。映画もマンガもアニメもテレビも、ただ共存するべき他者として、負い目も蔑視もなく存在する。
鋭い分析だと思いました。
自分が普段思っているけれどなかなか言葉に出来ない事を、端的にまとめてくれたように思えてとてもすっきりしました。