亀と潜水艦 公演情報 劇団桟敷童子「亀と潜水艦」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    東氏の作品には史実に軸足を置いたものもあるがここ最近その傾向が目立つ。本作も敗戦直後の福岡市近郊のとある保養所が舞台。満州を南下するソ連軍から性的暴行を受けた女性が博多港に辿り着く事もあり、到着を前に将来を悲観して海に飛び込む者もいたという歴史の断片を題材にした劇だ。この史実を特集した記事が昨年新聞に連載されていたらしく、これを見て取り上げたのかも知れない。
    当然桟敷童子の芝居ではあるが、毎回微妙なテイストの変化を見るのが興味深い。今回は新劇色が中々に強かった。アングラ劇のリズムを持ちつつ、これまでベテラン俳優との共演や外部での客演の経験を経て、史実をスパイスとしたフィクションから、史実を史実として押えた劇の有り方が誠実に追及された、という解釈をした。上下に激しいドラマの起伏より、現実に近い平坦な時間の中のリアルさゆえの起伏を、読み取るよう促される。今記憶の中に蘇るのはもりちえの心情を持続した演技による存在感(信頼感)。そこにありありと存在する、と見える事の演劇の快感は現代口語演劇(時代や人物を限定しがちだが)、そして新劇系の芝居のある部分に棲息している。
    題材から導かれた作劇、作劇から導かれた演技、であったに過ぎないかも知れぬが・・時系列に緩やかに流れる時間は従来の桟敷童子になかったものと自分は感じ、この感触を反芻しつつの帰路であった。(錦糸町駅までの徒歩はそれを可能にしてくれる。)

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    2026/06/14 23:11

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