亀と潜水艦 公演情報 劇団桟敷童子「亀と潜水艦」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    2回目。
    朝からどしゃ降りの暴風雨、ビッチョビチョでうんざりの一日。錦糸町駅から徒歩十五分のすみだパークシアター倉に詰め掛ける観客達。出迎える劇団員達。

    藤吉久美子さんは助演女優賞。周りの役者を際立たせる腕が凄い。舞台全体を見れる俯瞰的な目を持つようだ。
    斉藤とも子さんも重要な役。配役に哲学を感じる。

    振り続ける雨、ドブに現れる小さな亀、一筋の光。
    素晴らしい作品。

    ネタバレBOX

    わざと話の展開をミスリードさせるような仕掛けが多い。亀に潜水艦に台風。こう来るなと思わせて来ない所にニヤリとさせる。

    「人間まんまのうちに人の役に立ちてえ!」
    劇中、鈴木めぐみさんが何度も叫ぶ。五体満足の内に、老いぼれて身体が駄目になる前に。何かしらまだ出来ることがあるんじゃないか?自分でもやれることがまだあるのでは?何かを為したい。人間である以上、人の役に立ちたい。だがその気持ちは空回り。なんにも出来ない。

    大手忍さんの父親は満州鉄道の鉄道員。娘にずっと言い聞かせてきた。
    「人に迷惑をかけないこと」
    「おとなしくすること」
    「口答えせんこと」
    そしてソ連兵に凌辱を受け妊娠してしまった娘に
    「もう幸せになろうとは思わないこと」を。
    博多港に引揚船が着いたその日、娘の身を恥じて心中を図る。娘は逃げ、死に切れぬ父親だけが病院に搬送された。(劇中では仔細は明らかにされない)。妊娠8ヶ月だった大手忍さんは二日市保養所に収容され、麻酔なしで堕胎。胎児は泣き声を聴かせないよう、胎内で殺された。そんな地獄の経験の連続で精神的におかしくなってしまう。萬年荘にやって来た彼女を板垣桃子さんが地獄から白い光のある方角へ導き歩ませる話。パーマを掛けて資生堂の口紅を塗るラストの絵が浮かぶ。

    最近は大手忍さんが歌手のように思えてきて、今回彼女は一体どんな歌を歌うのか?みたいな気分になっている。

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    2026/06/04 13:50

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