愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸 公演情報 劇団扉座「愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    扉座『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』を観劇。

    1992年・岸田戯曲賞作品

    あらすじ:
     ベットで寝込んでいる王様。
    10年前に家来に囃し立てられ、民衆の前で透明な衣装を身にまとっていると、「王様は裸だ!」と子供に指摘され地に落ちてしまう。
    ドンキホーテの従者・サンチョ・パンソと出会い、失ったものを探す旅に出るのだが、過去に起きた悲劇は一体何だったのか?
    本当の真実が見えてくるのであった…。

    感想:
     あらすじから想像するに、初演を公演した時代が違えども、トランプ大統領を例えて言っているようだ。
    王様とサンチョ・パンソの旅を通じて、昔と今を交差させているのが嫌顔でも感じて、己の心に重い錘を抱させてくれる。旅を通じて、己の愚かさを悔いて、やり直して生きていく、という陳腐な物語になると思えないが、新たな展開すら見えてこない。あの時代の岸田戯曲賞作品は、最近の作品群と比較にならないほど激しいものだ。いったいどうなるのか?
     そこから再び、初めの場面に戻り、ベッドで寝込んいる王様の姿が見えてくる。来客は生徒で、王様は教師なのだ。校内暴力が流行った時代に、果敢に立ち向かい、生徒たちに向き合った先生なのだ。王様の姿を借りた、教師と生徒たちの姿の掛け合わせなのだ。
    10年前の悲劇は、先生と生徒たちに起きた事件で、あえて二重構造にしていなく、伏線すら貼っていないからか、繋がった瞬間には圧倒され、現在と過去の真実が如実に見えてくるのだ。「起承転結などは必要ない」と思えるほど、物語の運び方が上手いのだ。今は冷静になって言えるが、観劇中はそれどろこではなく、作家の術中に嵌っていたのだ。
    全体の2/3を王様の行方を執拗なまでに描いているのがみそで、その過程こそが、先生と生徒の交流の時間でもあったのだ。だが横内謙介の戯曲はそう簡単には終わない。その後に来る絶望と希望が更なる興奮を呼び起こしてくれたのだった。
     20代の頃に感じた観劇での感動を今では得ることが難しいものだが、魂を揺さぶられたの間違いない。
    当分の間、興奮冷めやらぬという感じだろう。

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    2026/05/31 11:05

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