亀と潜水艦 公演情報 劇団桟敷童子「亀と潜水艦」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    アレッサンドロ・マルチェッロの「オーボエと弦楽合奏のための協奏曲ニ短調」をヨハン・セバスティアン・バッハが鍵盤楽器用に編曲した「協奏曲BWV974の第2楽章アダージョ」。この物悲しく美しい旋律が主題として奏でられる。満洲の首都である新京の映画館のロビーで流されていたという。新京で呉服屋を営み財を成した板垣桃子さん。同じく新京にいた大手忍さん。このアンニュイで悲しい旋律から色々と失った時間を思い出す。玩具のトイピアノでそれを弾くもりちえさん。

    天才女優・大手忍さんと劇団の屋台骨の板垣桃子さんが地獄から歩み出す人間の物語を奏でる。何度も何度も何度も何度も同じ話を繰り返す。地獄から遠く遠くの白い光に向かって手を伸ばす。

    人間のまんまでいる内に出来ることをやらなければ。
    凄く良い作品。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    今作は短編小説であろう。満洲や朝鮮からの引揚げ時にソ連兵に凌辱された日本人女性達。戦後、博多港は一年半で約139万人の引揚げ者を受け入れた。中には強姦されて妊娠した女性も多数いた。故郷に帰るに帰れない彼女達を救う為に非合法の堕胎手術を麻酔無しで行なう二日市保養所の開設。500人近くの手術を行なったという。

    その地獄からの帰還者、精神を病んだ大手忍さんが引揚者の一時的収容施設「萬年荘」にやって来る。そこに暮らす目を病んだ老婆、板垣桃子さんは満洲から引揚げて来たものの到着した博多湾に娘が身を投げてしまう。強姦されて身重の自分に世を儚んだのだ。板垣桃子さんは大手忍さんを失った自分の娘に重ね、救おうと努力する。

    ※照明の拘りは特筆モノ。

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    2026/05/23 22:45

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