ブン/ダン 公演情報 劇団チャリT企画「ブン/ダン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2026/05/23 (土) 14:00

    座席1階

    タイトルを見て、早割を予約した。想像していたのは、アメリカ社会の分断や、アメリカにべったりの総理を抱える日本の分断社会の物語だったが、分断は分断でも、少し趣が違った。先人が書いている通り、「ふざけた社会派」を自認するチャリT企画にしてはふざけたところはなく、ストレートな社会派劇である。

    舞台はあるシェアハウスで、リビングルームの掲示板に、本作のチラシにもなっているデザインが描かれている。物語のカギを握るこのイラストは当初は謎に包まれているが、その上に張られたチラシのポスター「戦争反対」も絡んで、何をデザインしたのかが明らかにされていく。
    シェアハウスは、ノンポリで人のよさそうなおじさんによって運営されている。掃除のおばさんもいるが、彼らが高校生くらいであった時に起きた、政治的な課題をめぐる行政による教育への介入のエピソードも語られる。住人たちは全員が若者で、この世代間の意識の「分断」もあるのだと、劇場を出た後に気づいた。

    AIによる武器が出てきたり、近未来の世の中の様子が描かれているが、世界の兵器産業の隆盛やアメリカが介入したことによる中東情勢の悪化にどっぷり浸っていると、あまり違和感を感じない。つまり、これは現在進行形の物語なのだ。今、起こりえる物語を楢原は描こうとしているのだと分かる。

    チャリTの舞台が連発する社会を皮肉った笑いを期待しているとやや肩透かしかもしれないが、今作はストレートに客席にメッセージが投げかけられる。本来は触れられるべきでない人の内心が侵される恐怖が、雄弁に描かれている。

    ネタバレBOX

    劇作家自身は意図していなかったかもしれないが、自民党による日本国旗損壊罪の法律が現実味を増している今の上演はめちゃくちゃタイムリーである。この法案は高市総理の念願であるそうだが、こうした政治的動きを読み切って今作を書いたとすれば、劇作家の洞察力には脱帽するしかない。その点では、★5つをつけてもいい舞台だと思う。

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    2026/05/23 16:13

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