公演情報
SPAC・静岡県舞台芸術センター「王女メデイア」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★★
駿府城公園での野外公演は祝祭性もいや増してギリシャ悲劇に相応しい。ちょうど5年前の「アンティゴネ」で初訪問。今回は前日予約に失敗し当日券で観たが、どの席で観ても良い感じである。ただ予想外に寒く、自分は念のため持参していた上着と、配られたホッカイロを仕込んだタオルを首に巻いて難を逃れた(この所冷気に敏感な体調だったので助かった)。
宮城總演出と言えばプレイヤーとスピーカーの分離、本作もその形式であったが、冒頭その役の割り振りを男性連が行なう場面があり、丁度ギリシャの市民階級(今で言えば貴族?)の傲慢で下卑た大人像というのを面白おかしく提示。選ばれる側の女人らは黙って男らの我がままに従う接待役、あるいは色町の女の如く、ただし顔に袋を被せ、模写した写真の入った額を両手に持っていて、男らは袋を取って「お~」とか「な~んだ」等と興じる。お下品な場で、密室の享楽を愉しむように「お芝居」に興じる風景をもって芝居へと入って行く(主人公メデイアの読み役は「やはり阿部殿、そなたが・・」と男蓮も譲り、阿部一徳が「いやいやそんな・・そうかな。では」等とその役の席に座る)。この冒頭部分が、ラストで回収されるのである。
メデイアの苦悩は異端者(征服地の異邦人)のそれであり、女性のそれでもある。この象徴性が見事に際立つのが宮城演出なる王女メデイア。久々に出向いた甲斐有り。