公演情報
スリービッツ「朗読劇『もしも8才の子供が大統領になったら』」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
朗読としての力、滑舌がよく発音もしっかりしているから聴きやすい。その明瞭さが物語を立ち上げ 面白さをしっかり伝えている。物語のようになったらいいな という願望が込められた公演のようでもある。話の魅力は、当日パンフにも書かれているが、「原作『こどもの大統領』が産声を上げてから、二十余年の歳月が流れました。しかし、この物語が内包するメッセージは色あせるどころか、混迷を極める現代において、より一層の輝きと新たな示唆を私たちに与えてくれます」と、この文に尽きる。まさに8才の子供と軍人や政治家の大人が対話する場面が肝。子供と大人の「議論」ではなく、子供の素朴な「疑問」が「戦争と平和」の在り方を浮き彫りにしていく。ラスト、8才の子供が どうして「この国の軍隊を全部無くしまーす」という発想になったのかが明らかになる。
少しネタバレするが、大統領になった男の子の母親が「人間の諍いが戦争を起こす」という。人は成長するにしたがい建前や柵(シガラミ)、そして欲望や思惑が…。なぜ軍隊が必要なのか、その公益は何かを大統領に説明するが、逆に 人を傷つけたいのか、復讐という負の連鎖が断ち切れない といった非情を思い知らされる。大人は理論武装をするため、往々にして小難しい論理や理屈を持ち出す。しかし子供の素朴で率直な疑問と意見は、問題の核心を突く。
物語の中で 隣国では、タチツトット国が軍隊を解散した真意を知りたく諜報活動(スパイが登場)をしているが、本心だから裏事情はつかめない。今国会では「国家情報局」に係る議論がされ、時代が追い付いてきたといった感じだ。まさに時宜を得た公演といえよう。なお、朗読劇であるが、照明や音響での効果付け、そして最後は出演者全員での合唱。物語の骨太なテーマを舞台技術で魅せるのも上手い。
(上演時間1時間5分)追記予定