公演情報
あかりのプロダクション「「ボーン!」」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★
正直に言って、期待外れだった。
キャストの熱量や、シーン単位では成立している部分、メタ的な設定の発想など、評価できる要素は確かにある。だが、それらはすべて断片的で、作品としての統合には至っていない。観終わったあとに残るのは、「で、何だったのか」という空白だけだった。
当日は仕事で消耗しており、受け取り方が厳しくなっている可能性はある。ただ、それを差し引いても、本作の問題はコンディションではなく構造にある。物語を支えるべき論理や必然性が弱く、感情の高まりが結果に結びついていない。
近年よく見かける「整合性よりエモーション優先」の作りだが、本作はその弱点をそのまま露呈している。感情を強く提示すれば観客が受け取ってくれる、という前提に立っているように見えるが、それは成立しない。積み上げのないエモーションは、共感ではなく“押し付け”として機能するだけだ。
月刊ガラパで触れた大迫さんの短編には、発想の鋭さと瞬発力があった。その期待値で本作を観ると、今回はその強みが長編の構造に接続されていない印象が強い。出演者の中には確かな技術と説得力を持つ人もおり、局所的には成立しているだけに、全体設計の甘さがより際立ってしまった。
終盤の演出は象徴的だ。観客に感情を委ねているのではなく、受け取ることを前提に感情を強制してくる。その結果、刺さる・刺さらない以前に、距離を感じさせる。
本作は、特定の層には「エモい作品」として受容されるだろう。しかし、川口さん作品やガラパを基準に観ている観客にとっては、明らかに物足りない。感情ではなく構造で納得させる段階には達していない。
次回、プレグラ『不惑』では、大迫さんのアイデアが、作品全体を駆動する形で結実することを期待したい。