リーマン兄弟と嫁 【公演終了!ご来場ありがとうございました!!】 公演情報 劇団鋼鉄村松「リーマン兄弟と嫁 【公演終了!ご来場ありがとうございました!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    なんだよ、これっ!?
    一言で言えば、「過積載の2トントラックが、疾走しながらエントロピーを雪だるま式に増大させている」感じとでも言うか。一言じゃないけど…。
    それは、ある意味「酷く」て、「凄い」としか言いようがない。

    端で見ていてハラハラしてしまう。
    あんなに積んで大丈夫なの? あんなに飛ばして大丈夫なの? って。

    ネタバレBOX

    とにかく過剰、作者が違うのだが、前々作『ハチクロニクル』で感じた、むやみな情報量の多さには驚かされる。と言うか、まったく「閉口」してしまう(笑)。
    観客は間違いなく、大消化不良を起こしている。単なる消化不良ではなく、「大消化不良」だ。
    胃薬ぐらいでは絶対に治らない。つまり、ちょっと紐解いてみせる程度では、消化仕切れないのだ。
    もう、調子に乗って、カツ丼のカツを30枚ぐらい乗っけてみました的な特盛り感。
    ゲップ。
    もう30枚の時点でお得感はない。その過剰な、どうでもいい設定(地検兄弟とか)プラス台詞を、これまたなんとも言えない、お腹一杯になる熱い演技で盛り上げてくるのだ。
    30枚特盛りカツ丼に、バケツで豚汁付けました的な大サービスだ。
    ゲップ。

    2時間近い上演時間をその情報量で熱演なのだから、観ているほうは拷問に近い。というか拷問だ(あ、人によってはね)。
    でも、飽きない。引き込まれてしまう。
    力業。というか力技か。
    力の兄と技の弟。えっ、それじゃ「リーマン兄弟」そのものじゃないか!

    今回の物語は、「情報」の多さと、その渦中にある人々の生活が描かれていたが、軸がまさに、タイトル通りで、リーマン兄弟の兄、弟、そして兄の? 弟の? 嫁の物語が並行して疾走するのだ。
    交わっているようで、実は交わっておらず、それぞれの内部で自己完結している。コミュニケーションが見事に断絶している世界。
    会話をしているのだが、すべてを取り巻く情報量に埋もれていく、コミュニケーションなのだ。
    そして、内側にも何もなく、「確かな存在」は腕立て伏せのような肉体疲労の中にしかあり得ない。しかも、それすら他人任せで自らは行おうとはしない。
    どこにも出口はなく、いや出口という概念すら存在していない。しりとりが「永遠」で終わってしまうしかない世界だ。

    まさに、舞台を観てわれわれが感じていることでもある。
    実際に、そういう世界、つまり、その情報を取捨選択して、それなりの回答みたいなものを、なんとか出しながら生きているのがわれわれだ。
    「だからどうした!」と言ってしまう。
    でもそうなんだ。

    自ら名乗る「哲学的なコメディ」という言葉に強く縛られすぎたのか、そうとしか言えなくなったのか、まったく観客には歩み寄ろうとはしない。
    単に「ツッコミ」がいないというところが、構造的なポイントなのだろう。

    とにかく、ほとんど笑わなかった(ニヤニヤはしつつも)のだが、絶対に次も観たいと思ってしまうのだ。
    「え? なんで?」と思われるだろうが、それだけの「毒」があるということなのだ。もうなんだか、むやみさと、過剰さがたまらないのだ。

    「鋼鉄村松」素敵すぎる。
    つまり、過剰な「思い込み」と「意気込み」とある種の「勘違い」が素敵すぎるのだ。
    だって、それらを「劇団」として「共有」しているんだから。それぞれの頭の中での「共有」であり、それらは、やはり大量の情報から取捨選択して、それぞれが回答らしきものを導き出した上で、「演じたり」して、「作品」として仕立てているのだから。

    申し訳ないが、多くの観客に支持されることはあまりないかもしれない(失礼!)。…私が書くより前の評価の高さ(星の多さ)が信じられないんだな(笑)。
    でも、特盛りにチャレンジしたい観客は存在するのだ。

    こんな劇団が存在して、公演を打って、観客が入っているって、素晴らしいじゃないかと思う。

    にしても、「犬」はお決まりなのだろうか?
    『ハチクロニクル』も出てた。着ぐるみのリサイクル的な?

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    2011/01/16 09:35

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  • ボス村松さん

    コメントありがとうございます。

    作者の件、そうでした、同じ方だとお聞きしていたのに、うっかり書き間違えてしまいました。失礼いたしました。私としては、ハマリそうな作風です。と言うか、すでにハマッているかもしれません。

    胃もたれはありません。大丈夫です。劇団鋼鉄村松、ガッツリ食しました。至って健康。私、健啖家であります。わはは。

    いろいろ言いたい放題、言い散らかしてしまい、ご気分を害してしまったかもしれませんね。一応、軽くお詫びしておきます。すんませんでした。

    となると、バブルムラマツさんのほうも是非拝見したいですね

    2011/01/18 01:37

    観劇いただきありがとうございます。コメントまでいただき感謝です。



    この芝居はハチクロニクルと同じ作家の、ボス村松が書いたものです。

    もう一人の作家バブルムラマツは、もっと(ちゃんと)物語物語したものを書きます。



    胃もたれ申し訳ありませんでした。

    もちろん、胃もたれを狙って作っている訳ではなく、自分の非才に恥じ入るのみです。

    自分としては、今回、台詞・場面作りに奇をてらわず、

    よく見聞きする言葉や情景を、ほっこりとつなげた

    淡い人情物を作ったつもりでした。

    それがこうなりました。



    今後も見に来ていただけるとしたら、引き続きツッコミ含みで見ていただけると幸いです。

    2011/01/17 07:32

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