言の葉サーカス#02 公演情報 Tokyo Artist Circus「言の葉サーカス#02」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    観応え十分。
    前回「言の葉サーカス#01」は 星の言葉に準えたような印象を受けたが、今回は星(座)そのものの特徴を示しているような感じ。6短編はどの話も滋味あるもの、共通しているのは 悩み迷い 時計の針が止まったかのような人々が紡ぐ極上の味わい。

    宇宙は暗く そして広い、そんな空間に比べれば人間の苦悩など たかが知れている。しかし 人の暮らしはそんな ちっぽけなものの繰り返しの中にある。人と人が繋がり 前向きになった思考や感情には明るい未来が、そんな力強さが滲み出ていた。

    今回は朗読の中に 歌や楽器の生演奏が入る。もちろん朗読力は確かだが、楽器(ヴァイオリン)演奏も上手い。なにより その選曲が物語の内容に合っており実に自然な感じだ。北とぴあドームホールという円形の劇場は、朗読の声だけではなく 楽器の音色が心地良く響いて、それだけで幸せな気持になる。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は スタンドマイク4本だけ。
    「星を繋ぐ#02」は 次の6短編。

    ①アルクトゥルスートマトの時間ー
    20年振りに故郷に帰ってきた妹を迎える姉。小学生の頃 両親を事故で亡くし、時間が止まったような気持、久し振りの生まれ育た街の風景は変わっていた。そんな2人に(小学校)校庭から声を掛けてきた男、実は姉の婚約者だという。トマトを栽培しており赤く実ったと。妹は小学生の頃 朝起きるのが苦手だったが夏のラジオ体操の時は早起きできた。それはトマトの出来具合を観察するという目的もあった。熟したトマトを通して時計の針が少し動き出したような。

    ②アルフェッカー家族会議の夕べー
    母が突然 家族会議をしたい…議題は食器の後片付けについて。息子は戸惑い、大変なら手伝うと言い 父は静観している。食事をする時間がバラバラでその都度 食事の用意をし洗い物をする。かと言って食器洗い機を買うほどではない。家事という対価の支払われない労働、しかし誰かが行う必要がある。なんだかんだ言って 父の我儘な態度が浮き彫りになる。母は私がいなくなったらどうするの、健康診断の結果がよくなくと 思わせ振りに言う。家族会議ができる(食卓の)ありがたさ。

    ③朝露のリゲル
    冬の早朝、カラスの語り。人と人の出会いは24万分の1 奇跡に近い。或るイベントを巡り、心配性の2人ーイベントのバイトスタッフと出演オーディションを受けに来た女性が出会う。失敗したらどうしよう、そんな思いが ぐるぐる回る。失敗した時の言い訳を考え、自分の中に限界を作ってしまう。自分がいなくても仕事も世界も回ると諦め。空を見上げれば まだ星が見える。星は動いていないようで少しずつ移動している。遠いため人には分からないだけ、そこに微かな光を放つ。

    ④春宵のコルウス
    夕方、先の話と同じカラスの語り。公園でヴァイオリン(ドボルザーク「家路」)を奏でている青年、郷愁に浸りながら何かを探している女、そして靴擦れを起こして歩きにくそうな女、この偶然出会った3人の憂い。青年は親が亡くなったことが受け入れられない。女は家のカギを探していたが、その家には帰れない。靴擦れの女は 今の仕事が向いていなく心が疲弊していた。夫々が抱えた問題、心にぽっかり穴が開いた心情が明らかになる。カギは実家のもの、しかし東日本大震災で 家も母も流されてしまった。夫々が新たな一歩を。ラストは「ホルスト『惑星』-「木星(Jupiter)」

    ⑤ミザールーじいちゃんのおでんー
    子供の頃 既に母は亡く、自宅に帰っても誰もいない。父は仕事で遅く帰るため、近くに住んでいる じいちゃんの家にいる。冬はいつも炬燵でおでんを食べる。じいちゃんと父の会話は ぎこちない。自分は寝ているふりをして2人の会話を聞いていた。そして大人になった自分は、じいちゃんが施設に入るための引越しを頼まれた。いつも行っていた じいちゃんの家がなくなり、おでんも食べられなくなる。そんな哀愁を漂わせて最後のおでんを食べる 男3人。

    ⑥夜更けのポルックス
    白い上着を羽織ったカラスが語り、そして男と迷いネコ。男(ホスト)に懐くネコ、しかし借金があり飼える状態ではない。その返済が滞り 困っている時に現れた女(カラスの化身)、自分がやっているBARへ誘う。カクテルを飲んで見た幻覚だろうか、そこに(双子の)妹がいる。妹は兄の借金返済で無理をして亡くなっていた。妹まで巻き込んで という兄の悔悟、しかし兄の思いは妹に届いている と。妹が歌う「星めぐりの歌」が切なく聞こえる。男はやり直そうと、そしてBARの女に猫をくれ というが断られる。そこに自立を促す厳しさと優しさが垣間見える。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2026/03/21 10:35

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