公演情報
人形劇団ひとみ座「ペドロ・パラモ」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★
1955年、メキシコのフアン・ルルフォが書いた『ペドロ・パラモ』はマジックリアリズム(魔術的リアリズム)の元祖的作品の一つ。60年代、世界的にラテンアメリカ文学ブームを起こしたガブリエル・ガルシア=マルケスは1961年にこの本と出会い人生が変わったと言う。感触としてはアレハンドロ・ホドロフスキーの『エル・トポ』やアンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』の感覚。ジム・ジャームッシュの『デッドマン』とか ロビン・ハーディの『ウィッカーマン』も思い出す。円環構造の中を生者と死者とが彷徨い続ける。母の遺言で滅びた町に父に会いに来た主人公。父はもう死んでいた。町の住人から父の話を聞く。少しずつ謎が明らかにされていくようで主人公は更に霧の奥深くささめきの中に迷い込んでいく。好きな人には堪らない作風。
頭部と上衣だけの人形。それを背後から操る人形遣い達はスター・ウォーズのジャワ族のような出で立ちで忌まわしい。人形美術を担当した浦部裕光氏がMVP。味のある一人ひとりの顔の造形の文学性は物語を奥深く精緻な物とし、のめり込んで観るに値する。あらかじめ録音された声に合わせて人形を動かすスタイル。客席通路を歩く時は実際に喋っているように聴こえた。
母親のドロレスが死んだ。遺言を受けて、息子のフアン・プレシアドは会ったこともない父親ペドロ・パラモの住むコマラの街へと旅に出る。途中、ロバ追いのアブンディオと行き合う。アブンディオはペドロ・パラモはもう死んでいること、自分も彼の息子であることを告げる。コマラはゴースト・タウンと化していた。娼婦宿の酒場で母親の親友だったエドゥビヘスに会う。エドゥビヘスはドロレスから息子が来ることを知らされたと言う。フアン・プレシアドは母が既に死んでいることを告げると「ああ、だから声が掠れてたんだ」と返す。
『ゴッドファーザー PART II』を思わせる構成で現在と過去とが同時進行していく。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の隠し味も。
ペドロ・パラモの父親、ルーカス・パラモが知人の結婚式に立ち会った折に巻き込まれて殺される。後を継いだペドロ・パラモは父の手下だったフルゴルから家の置かれた状況を聞く。借金まみれでどうしようもない。まず一番借金の額が多いメディア・ルナ地方の大地主プレシアード家の主となったドロレスと結婚して借金をチャラにしようと企む。そして次々に債権者を罠に嵌めて消していく。
かなり面白い。
是非観に行って頂きたい。