こ こ ち  り【ご来場ありがとうございました!!】 公演情報 miel(ミエル)「こ こ ち  り【ご来場ありがとうございました!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    舞台の上では、脚本と格闘していた
    会場の雰囲気にマッチした、ちょっとスタイリッシュなテイストがある舞台であった。

    だけど、そこには真剣勝負の格闘があったと思う。

    ネタバレBOX

    豪華な執筆陣に惹かれて観に行った。
    その脚本と格闘している様が見えるような舞台だった。
    そのせいか、演出が勝り、ややバランスが悪いと感じるパートもあった。
    言い過ぎかもしれないが、その脚本家が行わない演出をあえて選択したような気さえした。つまり、脚本の意図とは違う演出をしているような感覚があった。
    例えば、ゆっくり上演されるつもりのものをテンポを早くしたり、というような感覚だ。笑えるはずのパートが笑えなかったりと(その劇団で上演されれば、あんな感じで笑えたのになあ、と思いつつ見ていた。誰が書いたのかなんとなくわかったので。後で配られたチラシを見たら思ったとおりだった)。

    全体は、虹のように、7つのパートに別れているのだが、音楽CDのアルバムで言えば、曲順をもう少し考えたほうがよいのではないかと思った。
    ダンスの後のファースト・パートは、ダンスとのギャップを見せて、「つかみ」をきちんとしてほしかったと思うし、演出が似通うものが並びすぎるのも…。
    7つの色のように、脚本だけでなく、演出も7種類用意できれば言うことがなかったかも。

    さらに、音楽が意外とベタな感じで、特に歌詞のある歌が入ると、その歌に舞台の上を持っていかれてしまう印象がするところもあった。

    ダンスシーンなのだが、ここの舞台はドタドタと音がしてしまっていた。床が箱のような構造になっているのだろう。
    ある程度動きがあり、テンポに乗っているときはいいのだが、ラストのカノンのように、静かでテンポのゆっくりした曲のときには、プロのダンサーではないので、どうしてもステップまでは、曲に乗り切れておらず、美しい曲にドタバタという足音が響いてしまっている。あまり歩き回らない振り付けなど、実際の舞台に立ったときにそれを感じて臨機応変に変更するなどの必要があったかもしれない。

    また、台詞を言いながら(繰り返しながら・この繰り返しのあるパートが、また多い)、何かをマイムのように行うところが随所にあった(例えば、サンタとトナカイがやって来るとか、カルタをしているとか)が、意味が見えすぎるわりには、台詞との関連性があまり見えてこないところがあり、逆にそっちばかりに気を取られてしまったということもある。

    とは言え、「これはいいかも」と思うようなセンスの光る演出もあるのは確かだ。小道具のシンプルな使い方や舞台上でのバランスがいいのだ(脚立の使い方が秀逸!)。

    役者さんたちは、全体的に無機質でスタイリッシュ、とても品を感じる演技であったと思う。
    特に、金崎敬江さん自身の身体のキレがいいことが印象に残った。そして、女優さん3人ともが、台詞を言い演技をしているときに、見事に輝いていた。そこが見事。

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    2010/12/26 22:08

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