抜け穴の会議室 〜Room No.0002〜 公演情報 パルコ・プロデュース「抜け穴の会議室 〜Room No.0002〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    年の瀬最後に「懐広い」作品
    これは…素直に良い作品ですね。。。
    観終わった後、明日とその先の未来に前向きになれ、希望が見えると思います。
    そして、自分の傍にいる人間に、好き嫌いはひとまず置いておいて
    じわじわとした関心と優しさが湧いてくる。 

    パルコ劇場の広さに負けないような、外向きで懐の広い作品で、
    作者前川氏が大きく成長したターニングポイントのように思えました。
    そのことも含めて、今後の展開に大きく期待が持てます。
    やっぱり、前川氏は一番「外さない」人だな。

    ネタバレBOX

    本で一杯の、岩窟の様な部屋に二人の男。
    どうやら、彼等は前世での生を終え、次の生を迎える為の準備期間として
    いわば「生」と「死」の境目のこの空間に来ているらしい。

    記憶を無くしている彼等は「自身が誰であったか」を知る為、自分達の
    過去を記録した書物を探っていく…

    互いを知ることの無かった二人が、書物を通じて1973年のある親子、
    2005年の靴屋で出逢った二人の男、2011年の環境が変わったところで
    再会した彼ら、という三つの時空を追体験していく。
    そこで彼等は、互いに全くの他人と感じていたのが、実は二つの生、
    前々世と前世とを共に身近なところで共に生きてきたことを知る。

    その中で、ある時は取り返しのつかない事も、命を救うような善幸も
    あったけど、それは既に過ぎ去ってしまった過去の事。
    しかし、彼等は転生の前に結果的に知ることになる。

    人間は互いにどこかで関わり合い、連関し合い、終わることの無い生を
    生きている。

    なら、憎しみより、感謝で迎えた方がはるかに良い、という事に。

    時にユーモラスに、シリアスに、そしてどこか哲学的な前川氏の
    筆致はどこまでも温かく、追求・告発、というより、共感を目指しての
    ものであることは自明と感じます。

    二人の名優もそれに応え、等身大の、私達に近しい男を
    演じ切ったと思います。

    二人が最後、赦し合い、固い握手を交わすシーンはこの作品の
    ハイライトであり、私は涙しましたね。 

    作品の構造は「図書館的人生」第三章の時間軸を行き来しながら、
    自分を探求していく、というもので、恐らく同時期に構想された作品と
    思うのですが、こっちは温かさが段違いですね。

    この冬、自分の「これまで」と「これから」、「自分」と「周りの人」を
    ふと考えるのに最高の作品です!

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    2010/12/21 22:41

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