「わたしの町」 公演情報 TRASHMASTERS「「わたしの町」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    北海道南東部に位置する十勝郡の町、浦幌町。農業林業漁業酪農業に栄え食料自給率の高さで「日本の食料基地」と呼ばれる地域の一つ。炭鉱で隆盛を誇り最盛期1万人を超えた人口も閉山後4400人余りに減少、学校は次々と閉校。2007年、最後に残った高校の閉校危機に地域住民が立ち上がる。
    ※今作では鞍園(くらその)町とされている。

    地元民の憩いの場、『蕎麦・炉端焼「よし乃」』に皆が集まる。女将は石井麗子さん。
    地元出身で郷土愛の塊、小学校教頭の千賀功嗣(いさし)氏。
    野菜作り農家の中嶋ベン氏。
    小学校教師の森川由樹さん。
    他所から移住して来た漁師でネット通販等を開拓して成功を収めている星野卓誠(たかのぶ)氏。
    地元民は星野卓誠氏をいけ好かない奴だと避ける人も多い。

    昨年、星野卓誠氏は漁で遭難して死を覚悟。その時、地元の何隻もの漁船が救助にあたり九死に一生を得る。自分とは縁もゆかりも無い人達も駆け付けてくれた。この町に恩返しをしたいと強く決意。このまま町が滅んでいくのを黙って見過ごせない。彼の熱意が森川由樹さんを動かし、古い考え方に凝り固まり旧態依然を美徳とした千賀功嗣氏に刃を向ける。

    ある意味、主人公の森川由樹さんが吠える。この町が滅んでいくのは何故ですか?ここを離れて都会に出た方が良いと思わせたのは誰ですか?この町の大人達でしょう。学校の教師達でしょう。この町が滅びるのはこの町の指し示す方向性が間違っていたからです。その現実を見ずに絵空事ばかり与太っていても何にもならない。子供達がここに住んでいきたいと思う町にしなくてはいけない。子供達自身にどんな町にしたいか考えて貰うんです。

    果たして過疎った町に打つ手はあるのか?
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    石井麗子さんの飲み屋は行ってみたい。

    中嶋ベン氏は樋浦勉っぽく裏表のない剝き出しの人間性が魅力的。すぐ何にでも賛同してしまう素直な男。

    第二幕は幼馴染高校生の三角関係、恋愛ドラマのような展開に会場が沸く。休憩挟んで全く別の作品になるTRASHMASTERSの十八番。一体俺達は何を観せられているのか?

    藤堂海さんは2010年の『アストライアの天秤 ~砕動風鬼~』を観ていることもあり、毎回気になる。

    長谷川景氏のエピソードも興味深い。

    モテモテ田島亮氏はこの若手誰だっけ?とずっと考えていてやっと最後に気が付いた。高校生役がハマる38歳!白石紗也さん、中村莉久さん、成程の配役。

    橘麦さんはラストの台詞が決まる。「この町には物語が埋まっている。皆自分にどんな物語が始まるのかドキドキワクワクしている。」
    中嶋ベン氏は「だって楽しいじゃない。そっちの方が。」と笑う。

    第二幕も森川由樹さんの千賀功嗣氏への啖呵が炸裂。古い因習に囚われこれまでの村社会の価値観に縛られたままの古い世代。それで行き詰まったからこそ変えていく時代になったのだ。この世界は既得権益者に支配され続ける永遠の闇ではない。人々の意識は時代と共に変わる。幾らでも筋の通った合理的な世界に正すことが出来る。光が差す、未来にはもっと。

    BLANKEY JET CITY 『PUNKY BAD HIP』

    古い世代の奴等は金で何でも買い漁った
    だけど俺達は自然の掟の中で生きるケダモノの世代さ
    「ハッハ!」(中村達也の笑い声)

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    2026/02/04 20:25

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