壽 初春大歌舞伎 公演情報 松竹「壽 初春大歌舞伎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「厚みのある勘九郎の実盛」

     源平合戦の時代に平家方についたもののじつは源氏に思いを寄せている斎藤実盛が、やがて己を討つことになる木曽義仲の出生を助けるという、歴史を予見する皮肉な物語である。

    ネタバレBOX

     勘九郎の実盛は花道の出から大きく、松緑の瀬尾の釣り合いのとれた爽やかさがまず目を引く。葵御前が産んだのが片腕であると言われ高ぶる瀬尾を諌め講釈をする場面でも、柔役も鋭いところがこのひとの持ち味である。瀬尾が奥に入り片腕の母が九郎助の娘小万と知れてから片腕を切りとしたくだりを語る物語は、観客を陶酔させるようなところはまだなくとも体がよく動くうえ発生が安定しているために次第に引き込まれる。これからが楽しみの実盛であった。

     松緑の瀬尾が敵役の凄みを利かせ、住処の奥に入るところで茂みに片足を突っ込んだときのポーズが美しい。葵御前が出産してから再度現れて真実を語るモドリに娘の小万と孫の太郎吉への情愛が滴る。周囲の好配役を受けての守田緒兜の太郎吉もまたしどころが多い難役を十分こなして拍手喝采であった。

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    2026/01/04 19:19

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