トルネイド 公演情報 演劇集団キャラメルボックス「トルネイド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    劇団にとって三度目の上演で三回目の改題となる、ちょっと珍しい作品。二度目の上演となった『彗星はいつも一人』(2003年)の脚本をベースに、時代設定を令和7年に修正して上演されました。「時の流れ」を描いている物語なので、時間軸を現代にすることで、そのテーマが一層際立つ形となり、作品から受け取れるテーマやメッセージはより明確になったと感じます。

    ネタバレBOX

    三人の幕末武士がトルネイド(竜巻)に巻き込まれたことをきっかけに不老不死を得る、という設定があり、ここから「加齢や老い、そして死を超越した人間の苦悩」が描かれます。劇中で「不老不死を解除する方法」に言及しないため、おそらく三名は永遠に生き続けるのでしょう。ここで重点が置かれるのが、人間同士の交流・コミュニケーションであり、第三者と交流が持てない、人と親愛を交わすことのできない絶望が、観る者の心を揺さぶります。キャラメルボックスの代名詞である「人が人を想う気持ち」が愚直なまでに注入された一作と感じました。出演者は全員劇団員ですが、若手俳優の躍動もあり、世代バランスのとれた魅力的な座組みに感じられました。来年は41年目となる劇団公演が楽しみになる、アニバーサリーイヤーの締め括りと言えるでしょう。

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    2025/12/22 09:06

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