『ジョルジュ』/『トロイメライ』 公演情報 座・高円寺「『ジョルジュ』/『トロイメライ』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    『ジョルジュ』
    通算3回目。去年何で観なかったのか調べたら昼公演ばかりで日程が合わなかった。

    ピアニスト、平尾有衣さんの右肘に傷痕のようなもの。プロ故に変形していくものなのか。
    甘いデザートを舌にのせて隅々まで確認し味わうかのように鍵盤を弾く。
    雲の上の平均台を慎重に歩く体操選手のように緩やかに。
    才能溢れたピアニストがピアノを弾く行為、それはまるで亡くなった数百年前の天才の魂を降霊させる儀式のよう。確かにショパンの思考、感覚、感情、思想に束の間触れたような気さえした。

    天才とは神の世界に魂を飛ばしそこで聴いた旋律を何とか再現しようと努力する者。ただこの人の世ではどうしても音階が足りな過ぎる。

    竹下景子さんは喉の調子が悪そうにも感じたが(咳をこらえる素振り)そんな時でもこなせる長年培った技術。

    シライケイタ氏の演出に工夫が見られる。前より伝わり易い。

    第一幕
    ①革命
    ②ノクターン第2番
    ③別れの曲
    ④ワルツ第9番
    ⑤バラード第1番
    ⑥雨だれ
    第二幕
    ⑦24の前奏曲第17番
    ⑧4つのマズルカ第4番
    ⑨幻想即興曲
    ⑩子守歌
    (11)ポロネーズ第1番
    (12)ワルツ第7番
    (13)英雄
    (14)葬送行進曲

    アンコールに「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22より」。Op.=オーパス=作品番号。

    ショパンは音楽を思想と捉えていたそうだ。この圧倒的な人気は天才性だけでなく思想の美しさなのか。
    魂を飛ばせ。

    ネタバレBOX

    ③さびしんぼう。人は別れの為に出逢うのだ。別れこそこの世で一番美しい。そんなことを思わせる。
    ⑤一つのフレーズ(感傷)を打ち消すかのようにあらゆる旋律を試みるがやはり打ち消せない。
    ⑥「雨だれ」の解釈が他の人とまた違ったもので興味深い。いろんな「雨だれ」を聴きたくて山縣美季さんのピアノリサイタルにも足を運んだことがある。
    ⑦ピアノの演奏に被せて竹下景子さんがモノローグのように朗読を被せる演出はイマイチ。何を話しているか聴き取れない。どちらも殺してしまう。
    ラスト、もう一度この演出があったが竹下景子さんが中央で喋ったので先程よりも聴き取れた。だがもっと違う方法がある筈。
    (14)このフレーズを展開して明るい希望さえ垣間見せる凄さ。

    0

    2025/12/20 06:18

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大