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稲葉賀恵 一川華 ポウジュ「
Downstate
」の観てきた!クチコミとコメント
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住み込みの女(573)
実演鑑賞
満足度
★★★
ネタバレ
ネタバレBOX
アメリカの劇作家・ブルース・ノリス『Down State』を観劇。
イリノイ州の南部で、未成年者に対する性犯罪で有罪判決を受け、刑期を終えた囚人たちが、グループホームで共同生活を送っている。彼らの日々の行動範囲は限定され、保護観察士によって監視されている。
そこに被害者だったアンディが現れ、加害者に己の罪を改めろと迫っていくのだが…。
被害者だったアンディが加害者・フレッドに詰め寄り、捩じ伏せれることで、消えない痛みがなくなるのか。
被害者と加害者との対話劇は、被害者の痛みを和らげる展開になるのだろう?と思いながらも、「加害者がなぜ犯罪行為に至ったのか」という問いかけも見え隠れしてくる。
作家の眼差しは、加害者も被害者も悪ではなく、対等であり、両方の視点から眺めることが出来るので、「我々も加害者にも被害者にもなり得るのでは?」とふと感じてしまう瞬間がある。それは個人だけの問題ではなく、社会が大きく関わってきているだろう。
日本人が犯罪ものを描く場合は、被害者vs加害者という対立構造が作られ、被害者を蔑んでいて、当事者同士が対話によってぶつかり合うという展開はまず起こらい。現実にもありえないので、違和感すら感じ、観ている最中に辛さとイライラが募ってくる。今作の作り方に想像を掻き立てる要素が一切ないからか、この手の欧米の芝居は殆ど観ない。互いの想像力があるからこそ、何事にも解決に向かうと思えるので、今作のような作劇方法で論じてもテーマが響いてこないのだ。
嗜好の違いといえ、観劇後に強く思ったことだ。
ただ見応えがある芝居だったのは間違く、お勧めであるのは確かだ。
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2025/12/16 10:21
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