冷蔵庫にはっておこう 公演情報 chon-muop「冷蔵庫にはっておこう」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    同じだけれど違う
    経堂芝生版と仙川niwakoya版、
    二週にわたって両方観劇。
    同じ物語なのに質感が絶妙に違う・・・。

    その差異が際立たせた
    異なる時間の肌触りを
    しっかりと感じることができました。

    ネタバレBOX

    物語の流れは同じ、
    なのに肌触りは絶妙に違う・・・。

    経堂バージョンの
    どこかドライで深さを秘めた質感が
    仙川バージョンの同じ時間には
    やわらかく、ぬくもりを持って感じられる

    お店が始まったころを表現するユーモラスな仕掛けや語り口は
    どちらのバージョンでも一緒なのですけれどねぇ・・・。
    やがて、時間が置かれて
    店の広さや空気の密度がかもし出されると
    それぞれの場所にだけ過ぎていった
    時間の個性のようなものまで
    くっきりと感じられて。

    役者のお芝居に留まらず、
    その場に置かれたものや
    部屋の温度
    観客の雰囲気にも揺らぐような
    その場所を過ぎていった時間たちの
    どこか長さが忘れ去られたような質感が
    それぞれの色に染められて伝わってくる・・・。

    マスターの賄いを作って食べ始める姿に
    時間が今へと塗り替えられて、
    その場所は普段の顔を取り戻すのですが、
    もはや観客は
    黎明期から重ねられたこのお店の空気に
    しっかりと取り込まれていて。

    もちろん、単一で観ても
    その空気感で観る側を染め上げるような
    力をもった小品なのですが、
    二つのバージョンを観ると演じられるお芝居の
    唯一無二な時間が一層しっかりと伝わってくる。

    貼り付けられた手紙やレシートに刻まれた言葉たちが
    その場の時間に編みこまれていて
    ちょっとぼーっとしたくなってしまうような・・・。

    このお芝居、
    ちょいと常連のお客さんになって、
    いろんな場所、、
    いろんな時間やいろんな季節で見たいと思う。

    きっとその場所ごとや流れる時間ごとに、
    いつもと違うテイストで味わうことが、
    できるように思えるのです。

    ☆☆☆○○◎△□□

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    2010/12/07 16:58

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