匣の中【公演終了致しました。ご来場ありがとうございます!】 公演情報 集団as if~「匣の中【公演終了致しました。ご来場ありがとうございます!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ネガティブというよりもっと強烈なインパクト
    「ネガティブ」という言葉は
    うなだれてるような、エネルギー残量少なめな印象だが
    これはもっとなんていうか、ミサイル級の破壊力のあるネガティブ。

    いやネガティブっていう言葉に収まりきらないんじゃないだろうか。
    非常に強烈なインパクトです。
    理不尽な話。
    物語が理不尽なのではなくて、そもそも世界が理不尽であり
    その縮図を描いたがゆえに理不尽。
    そして壮絶なラストを迎えて、さらに強烈に迫ってくる。

    その突き刺さりっぷりは、免疫のない人にとっては嫌悪感を生むかもしれない。
    そのことも絶対分かっていてやっている。強烈な批判が来ることも。
    それでもこの選択は潔い。
    インプロを舞台に織り込むというやり方も、
    とても面白くて素晴らしかった。

    今年見た中で一番きた。だから今年初の★5
    場内整理のスタッフも丁寧で、行き届いていて良かった。
    あとひとつ、音響さんの素晴らしさを感じた舞台でもあった。

    ネタバレBOX

    救いのない話。
    力のないものがみんな死ぬ。

    普通は勇気ある若者の出現とか、神様(脚本家)のいたずらとか粋なはからいで
    観客のカタルシスは満たされるものだけど。そういうものとは無縁。
    最初がとても明るく、笑いや拍手まで巻き起こるコメディだけに、
    終盤のインパクトは凄まじい。

    観客が愛着を持ち始めた、今を一生懸命生きる登場人物たちが
    目の前でむごい仕打ちをどうしようもできず受けるのである
    それもささいな、ちょっとした、取り返しのつくことで。
    客にとっては非常に厳しい。
    それがどんどん手から離れて、大きな流れが生まれて全てを壊していく。
    目をそらしたくなるし、いたたまれなくなるし、逃げ出したくなる。

    ゴミ山で生きていた少年達はすべて燃え死ぬ。愛と希望を持ったまま。
    誰も助けてくれない。死ぬ。

    力の有る側(町の人)は、きっとこれからもなにも知らずに、
    罰を受けるわけもなく、生き続ける。
    これが世界の縮図。こういうことが。世界では起こる。起こっている。
    人知れず起こる。誰にも知られていなくも。届かない叫びがあるのだ。

    誰かに気づいてほしくても誰にも気づかれずに
    力に翻弄されて死んでいくものがいるのだ。
    そして知らずに自分達は加担する側にいる。
    そのことに気づけと言わんばかりにこの作品には救いがない。

    観客の優しい心を切り裂くようなラスト。
    自分の間違いに気づいた主人公の少年の目の前で、
    牢から逃走し生き残った最後のゴミ山の友だちは、拳銃で自殺する。
    カタルシスのかけらもない、批判覚悟の終わり方。すべては言いたいことのために。
    お見事。


    うらやましい。
    こういう舞台は俳優の信頼がなければやれない。
    また、俳優に実力がなければ、ただの嫌な舞台で終わる。
    こういう仲間と舞台を作れることはとても素晴らしいことだ。

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    2010/12/04 22:28

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