満足度★★★
甘い考え/甘くない世界
マルチ商法にはまって行く若者たちの心の弱さや身勝手さが描かれていて、チラシのビジュアルや説明文のイメージとは裏腹に、シリアスなドラマとなっていました。個人的にも、マルチにはまって疎遠になってしまった友達がいるので、共感できる話でした。
ある女性の彼氏が姿を消して、探し出すと宗教じみたマルチにはまっていて、彼を助けようとしてるうちに彼女もその世界にはまってしまい、当初の目的が忘れ去れているという物語で、登場人物全員が悪い方向に向かって行く救いのない雰囲気がリアルでした。
登場人物のネーミングが「甘さ」や「白」に関連付けられているのがアイロニカルが面白かったです。ファションショーのランウェイを模したセットや照明、音楽も浮ついた気分を表現するのに合っていたと思います。小道具の白い箱も角砂糖、ダンボール箱、椅子と様々な意味を持たせて上手く使っていて良かったです。