男の一生 公演情報 三田村組「男の一生」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    お疲れ様でした
    今回が最終公演とのこと。
    まだ、「第18回」公演と案内されていた時は、まさかこんなことに
    なるとはつゆ知らず。 本当に長い間お疲れ様でした。

    舞台の上で観る三田村さんは、時に渋く、時にやんちゃで、熱くて
    哀しみを存分にたたえた、「頭から足先まで全身で語れる」役者だったと
    感じていました。 次の動きに期待してます。

    ネタバレBOX

    サスペンデッズから客演していた佐藤 銀平は良い役者だと思いました。
    表情から、細かい動き、発声の加減まで役に溶け込んでいて、
    しなやかでどんな役でも出来そうな。

    前にも書いた気がしますが、蓬莱氏は「雨」が好きなんでしょうか?
    「罪」「凡骨タウン」「サイコ」と立て続けに、降りしきる雨、そこに
    浮かび上がるように現れ出る人物…という構図が毎回なので、
    流石に読めてしまったというか。 巧妙に「過去」と絡み出すのも定石。

    母親が「親不孝者…」と呟きながら登場してくる場面。
    思わず「凡骨タウン」を思い起こす程デジャヴ感が凄かった。

    最後のどんでん返しは上手かったけど、ネタ切れを起こしてるのか、
    劇団最終公演ということで抑えたのか。以前の、観ている観客の
    身まで削り取っていくような、焦燥感が正直最近は感じられない。
    「314」で衝撃を受けて蓬莱作品をチェックするようになった身としては
    何か煮え切れない気分。 どこかで観た感がそれだけ強い。

    それにしても・・・「正当に扱え!」はひどかったなぁ。 あの一言で台無し。
    後半の要になる発言かと思いきや、場面ごと軽く流されたし、
    あの台詞で、とどのつまり自分で何も選択してこなかった老人の
    ただの我儘、それにつきあった揚句を最後慰めてやる青年、という、
    危うく甘えになりそうなところにまでこの作品全体が落ちかかったでしょう。

    でも、「父親の後を追いかける人生だったなぁ… いつも帰ってくるのが
    俺で、ごめんな」って死んだ母親に語りかける場面は思わず泣きそうに。

    蓬莱氏は弾丸のように場面ごとの決め台詞が飛び出してくるのは
    分かるけど、自重しないと逆効果になりそうな気がします。

    最後に、葬式の白黒幕を模した、町工場の舞台セットは巧みで
    印象深いものでしたね。 面白いと思った。

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    2010/11/30 23:39

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