古いクーラー 公演情報 岡崎藝術座「古いクーラー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    なんか封じ込められた
    ちょっとした工夫に封じ込められて、
    そのまま、あれよあれよと観てしまいました。

    ネタバレBOX

    なにか場末の映画館の開映時のようなブザーがなって、
    そのままに舞台に閉じ込められてしまう感じ。

    基本的には古いクーラーがお題になって
    つかず離れずで人物が順番に語っていくという感じなのですが
    冒頭のブザー音が絶妙に効いていて
    その場のいろんなテンションの作り方やデフォルメが
    パッケージの内側のように感じられる。

    すると、個々の「クーラー」の個性のようなものが
    絶妙に面白いのです。
    どこかポップで、
    ちょっとこじつけられて
    無駄に思えるほどハイテンションに披露されていく話たち。
    クーラーの枠からはみ出し、
    ロールからはみ出し、
    物語とまではいかなくても場の色や空気が生まれ、
    流れていく。
    なにかずるずると続いていく感じがちょっと冗長にも思えるのですが
    その冗長さがあるからこそ、
    役者たちがテンションの強弱で作る場の空気が
    すごくのびのびと生かされている感じがして。
    それらのニュアンスが
    始まりと終わりのブザーで
    映画の一本の質量にすっと収まる感じが
    何か不思議だし、
    見てきたものが観客側に焼き付けられ
    すとんと落ちる感じもして。

    私自身が考えすぎているのかもしれないし、
    もっとしっかりと見るべき表現なのかもしれませんが
    ちょっとこれまでにない感覚があとに残って、
    それが妙に面白く気になる作品でありました。





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    2010/11/24 18:31

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