そんなの俺の朝じゃない! 公演情報 ライオン・パーマ「そんなの俺の朝じゃない!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    フザケタ緩さ
    まったきもって好みの作品。実にセンスがいい。「昇っているのか、沈んでいるのかパッと見、判断のつきにくい午前五時」から始まる、真面目なのか、不真面目なのかパッと見、判断のつきにくい男、火山火山(ヒヤマカザン)の退職の日を綴った物語。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    序盤、長男が上手そうにヨーグルトを食べてるところにやってきた次男のビフィズス菌うんちくが素敵すぎる。笑
    何万のビフィズス菌と言われるより、確かに3匹のビフィズス菌が入ってるなんて言われると、なにかしらゾンビのようなアメーバ菌を想像しちゃうから、こんなに悍ましいことはない。

    そうして深い霧の中から現れた父の姿は神々しく見えたのだが、やがて、その扉はすぐに壊れ、だらりんとロープが垂れ下がって役者は手動で開閉せざるをえない事になるのだが、その緩さも、そこはかとなくいい。

    父・火山火山のライバルであり、恋の敗北者でもあった雪村は、無遅刻無欠勤の火山を最後の土壇場で失脚させたいと考え火山の退職の日に遅刻させることを思いつく。この思いつきは相当こじんまりした策略なのだが、雪村の長男・雪彦も父に従い火山を妨害する。

    しかし火山一族の結束は固く、どんな妨害にも揺るがない。揺らぐのは父自身が電車から馬に飛び乗る場面で、先に壊れた扉から垂れ下がったロープにビビってしまう精神の弱さだ。笑

    つまり、ロープが邪魔で馬に飛び乗れないと主張したかったようで、火山は本番中にも関わらず他の役者に「ロープが・・・」と本気でビビってるようだった。そんな気の弱さもあいまってか、へっぴり腰で相当な弱腰で馬に跨ったものだから、ずりずりずりり~。。と期待通りに馬からずり落ち、慌てて乗りなおした情景もすごくかっこ悪くて素晴らしかった。笑

    どんだけ笑わせてくれるんだよ!と大口開けて笑っていたら、今度は火山を飛ばすシーンでは一家総出で火山を担いでブーーン!!と1メートルくらい飛ばしてた緩さもなんとも素敵だった。

    劇中、セクシー仮面は登場するは、オスカルは登場するは、キャッツアイは登場するはで、にぎにぎしく楽しい舞台だった。泣くほど笑ったが、よくよく考えてみると、父の持論に振り回されてる家族もたまったもんじゃあないけれど、普通じゃない家族構成が既にコメディで、ついでにいうならライオン・パーマのキャストらがワタクシはとっても好きだ。

    観客もろとも舞台を素で楽しんじゃってるからなのか、「あんまり高く持ち上げるな」とか「大丈夫か?」とか結構ボソボソ言ってる愚痴っぽい語りも、いと可笑し。



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    2010/11/22 18:22

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