舞踏/音楽 即興劇 「起源論」 公演情報 東京戯園館「舞踏/音楽 即興劇 「起源論」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    この名義の公演は座・高円寺でここ数年毎年やられていたようで(座高円寺公演情報は押えていたはずであるが..)今回が初めてであった(舞踏であった事は当日劇場で知った)。
    初耳の名前を観に出かけたのは競演者の名が目を引いたから。日替わりの競演者は皆音楽家でとりわけ初日の二名は少々特別感あり。一人が林栄一(sax)、一人が石渡明廣(g)。前者は40年スパンで日本のジャズ界の第一線で活動する人。ライブハウスのラインナップを見ていた大昔はこの名前が頭一つ出た所(バンド)で演奏。後者は言わずと知れた祝祭的(法外)バンド渋さ知らズのリーダー。恐らくはジャズ畑の人だろうと踏んではいたのだが、今回その無尽の音世界を堪能した。80分の上演時間ほぼ全編音を出す。林氏もサックスの持つ音の迫力、美しさ、繊細さを体現するが、既に老境にある風貌に驚きつつ「現役の音」にも驚いた。
    これはほぼ音楽ライブである、と思いつつ、初の工藤氏の動きも目に入れていたが、音が彩る「相」のダイナミックな変遷に導かれて、という所が大きいのであるが、音に乗っかりつつ蠢いているだけの相関と見ていたら、最後には音に拮抗する存在として俄然姿を現わして来た。舞踊には踊り手の数だけ「言語」があると思っているが、工藤氏の中では一貫した何か(言語体系?)が、最終的には観客に見えて来たという事だろうか。危機と逼迫の時間、事態を俯瞰する時間、世界を愛おしむ時間・・それらとシンクロする身体があり、緊張の持続する時間が一つの作品と思える最後を迎えるという感じ。こちらの深読みもあったか知れないが、胸が熱くなる瞬間もある。
    林氏とは以前一度競演歴あり、石渡氏は前回に続いて二度目という関係。過去作品でも競演する「音楽」を重視している事が分かる。しかし全く異なるだろう別日の「音」とのコラボはどんな空間を作るのか、と興味は募る。(観には行けないが・・)

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    2025/10/31 00:53

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