明日を落としても 公演情報 兵庫県立芸術文化センター「明日を落としても」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から30年。そして、兵庫県立芸術文化センターの開館20周年。更に、今作『明日を落としても』。作品自体は多義的であり、解釈も様々だと思うが、私がいち観客として考えることは、やはり震災のこと。阪神・淡路大震災はテレビ中継を恐々としながら見て(子供だったこともあり、とにかく怖かった)、東日本大震災は東京で体験したことでもある。震災前と震災後。そのふたつの時間が、地続きでありながら決して交わらないことを、強く再認識した公演でした。

    ネタバレBOX

    舞台は阪神・淡路大震災の被災地にある老舗旅館。旅館で働く人々たちの群像劇。若女将の友人の息子(高校生)が旅館に預けられることになり、やりたいことが見つからない若者の更生の物語でもある。生きる目的をようやく見つけた人々が、震災を経て、他界してしまったり、あるいは震災後の人生に暗い影を落としたり、全体的にシリアスで張り詰めた空気が漂う上演だった。受け継がれていくことを意識したラストシーンには、作り手たちの祈りや鎮魂が含まれていると感じた。

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    2025/10/27 15:17

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