売春捜査官 公演情報 高円寺K'sスタジオ本館「売春捜査官」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    無料(投げ銭)公演。高円寺K'sスタジオ10周年特別企画
    脚本は同じでも、演出や役者(演技)によって面白さが違って観える。今回の「売春捜査官」は、主人公の木村伝兵衛部長刑事を木村夏子サンと柏尾志保サンが競演する。その演技が見どころ。最終日に続けて観たことによって、その違いを感じることが出来た。

    何度も「売春捜査官」を観たが、それだけに観慣れたといった先入観を持っていたが、表現しにくい新鮮さ斬新さがあった。公演は、木村伝兵衛像が役者の演技だけではなく、その外見ー体躯によっても印象が違って観える。演劇は役者の数だけあるような。
    (上演時間1時間35分 途中休憩なし)【柏尾志保版】

    ネタバレBOX

    物語は、警視庁の木村伝兵衛部長刑事の取調べを中心に熱海の殺人事件の概要をなぞりながら、その過程で事件の底流にある問題を抉るもの。人間を鋭く洞察し、心理描写と情況表現が中心であることは間違いない。

    男優陣は、熊田留吉刑事(日下諭サン)、梶刑事(梶原航サン)、大山金太郎(千葉大和サン)との絶妙な遣り取りに人間味が…そんな滋味溢れるものが観てとれる。単に伝兵衛の盛り立て役に止まらず、1人ひとりの人間性を立ち上げている。体躯のよい日下さんは、厳つい風貌と剛腕を見せつつ純情な面を併せ持つ熊田刑事、梶さんは顔付こそ野性味あるが、やはりホモらしい繊細さを見せる梶刑事、千葉さんは2人に比べると体は細いが、強情で熱い男-大山金太郎。相乗効果を発揮した役者たちの演技はよかった。

    なお 柏尾バージョンでは、梶刑事を木村夏子さんが演じていた。この公演は 主に5人で運営ー登場人物は4人、そして1人は照明/音響・音楽など舞台技術を担当する。この回は梶原さんが技術を担当しており、李大全(故郷 五島の先輩)を演じる時だけ 木村さんが技術へ。だから出ハケの場所や動線が違う。まさに少数精鋭での公演だ。

    柏尾さんの伝兵衛は、大柄で迫力があるが 白ポロシャツというラフな格好。台詞は はっきり明瞭だが、情感に乏しいような気がした。2人の伝兵衛は、その体躯の違いもあって、一部シーンが異なる。例えば、熊田と梶の両刑事が伝兵衛のスリーサイズを揶揄う場面は、柏尾さんのバージョンでは割愛。その代わり 高校時代に熊田と別れた駅舎場面を入れる。2人の女優の体躯や特長を活かした「売春捜査官」---敢えて例えるなら、木村さんは精神派、柏尾さんは肉体派といった印象。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2025/10/23 06:29

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