公演情報
劇団しゃれこうべ「セイムタイム, ネクストイヤー」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
戯曲の出来が素晴らしい。これは傑作。一夜限りの情事が余りにも良過ぎた為、毎年一夜だけ不倫する事を決めた家庭持ち男女の25年間の物語。思いっ切り下ネタとリアルな男性の思考回路からスタートする為、登場人物に信頼が置ける。SEXの相性がいいというのは理由として通る。笑いのセンスはウディ・アレン。時代をリンクさせる手法は後の作品、『フォレスト・ガンプ』へと続いていく。(この戯曲は1975年、『フォレスト・ガンプ』の原作は1985年)。
時代は1951年、アメリカ東海岸ニュージャージー州の会計士ジョージ(木田博喜氏)27歳。丁度合衆国中央に位置するオクラホマ州の主婦ドリス(和泉美春さん)24歳。この二人がたまたまアメリカ西海岸カリフォルニア州のレストランで出逢う。家から遠く離れジョージの泊まる海辺のコテージで一夜限りの情事に耽ける。毎年同じ時期に顧客の監査業務の為この地を訪れるジョージ。そのコテージの老管理人チャーマーズとして安田美忍さんが登場。前説、暗転時の場面転換などかなりの作業量を一人で見事にこなす。二人芝居でネタは続くのか?と思いきや、ありとあらゆるアイディア満載。血を見ただけで失神してしまうジョージのキャラが効いている。年と共に二人の生き方が変わっていく様をファッションやメイクで表現。年毎にちゃんと演じ分けてみせるのが面白い。
朝食の出来が良く、食品サンプルかと思う程綺麗。和泉美春さんが本当に食べていた。回る天井扇。木田博喜氏は本当にピアノを弾いていたとしたらかなり巧い。
二人の会話の中にしか出て来ない妻や夫や子供のエピソード。会ったこともないのに段々と親しい友人のように思えてくる二人。
2025/10/14 22:01