公演情報
演劇ユニット茶話会「受付/六月の電話」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い。
別役実の2作品、発表された年が違うにも関わらず 関連しているような印象を受ける。作品の選択とそう思わせる演出(宮田清香サン)が妙。「受付」(1980年)と「六月の電話」(1995年)では15年の間隔があるが、それぞれの時代背景を感じさせる。別役作品は、日常生活の中に人間の寂寥や空虚といった表現し難い思いを さり気なく描くといった印象だ。しかし 本公演、前者は不条理喜劇で、後者は不条理ミステリーといった違う作風が面白い。それでもリアリズムといった共通点は見い出せる。
別役作品の象徴的ともいえる小道具ー電信柱、本作ではこれをポールハンガーに置き換えて印象的/効果的に使っている。また電話だけで姿を現さない人物、それによって今いる空間だけではなく外の世界ー世相と繋がっていることを表す。そして2作品が繋がっているような錯覚、そこに演出の巧さを感じる。もちろん役者陣の演技は確かで見応えがあった。
(上演時間1時間50分 途中ブレイクタイム2分ほど)