乱歩の恋文 公演情報 てがみ座「乱歩の恋文」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    桁違い!!
    濃密な時間でした。

    役者もいいし、横綱相撲、圧倒的にいい!!

    ネタバレBOX

    若いころの奥さん(隆)は綺麗でした、目力もあって素敵です!和田真季乃さん最高!!

    隆(りゅう)が男っぽい名前だからと、子を付けたというのもおおらかな時代でいいですね。

    紐の切れ端を体につけた傀儡(人形)たちが演じる乱歩夫婦の物語。薄暗い中、後ろ向きの傀儡にそれぞれ細いライトが当たっていて、スポットライトの要素の他に、あやつりの糸を表現する心憎さでした。

    傀儡師(人形遣い)が人形だったり、人形が傀儡師の流れをくむ娘が人形に変わってしまったものだったり、隆子の見た白日夢の世界は幻想的でした。さらに時に隆と隆子が本人同士で話し合ったり、タイムトラベル物では絶対にあり得ないシチュエーションで、こういうのを奇譚というなら奇譚も好きになれそうです。

    隆が上京した当初の様子から、太郎は本当は結婚したくなかったのかなと隆が少し可哀そうになりました。最初の頃は本気でも、そのうち手紙を書かなくなったのはフェードアウトを図ったためというのも確かに一理あります。隆子に読み聞かせて最終的に脱稿する、そんな才能のためにだけ存在意義があったというのでは可哀そうです。

    エログロに反発した隆子、そうですよね、何となく乱歩の本は買いづらいというところがあります。

    それでも、乱歩の最高の愛読者であった隆子が、書けなくなった乱歩に少年向け探偵小説という新しいジャンルへ目を向けさせるきっかけを作るなど、命を掛けて誠心誠意支え続けていたことが伝わってきました。

    手紙に込められた気持ちは本当だったという乱歩の言葉も、最初の頃は本当だったんでしょうよという気もしましたが、ずーっと照れて忘れていたような振りをしていたことから恋文だったということで納得しましょう。

    最後、隆子が乱歩を救い出すことができて本当に良かったです!

    セットも素敵でした。上部も有効に使い、編集室と上に続く階段が裏表になっている大道具、上から下りてくる電信柱など素晴らしかったですが、何よりもスムーズに開閉する障子の、手を見せ、姿を見せるタイミングの絶妙さが何とも心地良い気分にしてくれました。

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    2010/11/06 12:09

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