満足度★★★★
初日、「夢たち」チーム拝見
フライヤーを見ると、イラストが少女マンガみたいで、夢、恋、花と書いてあると、
夢ゆめしい舞台を想像するが、イラストのような美少女はもちろん登場しない。花組芝居だから(笑)。
花組芝居を何十年ぶりかで観劇したが、全然変わっていなかった。にぎやかである意味泥くさい。そして、客層も40代後半の女性で占められ、普段行く小劇場の客層とはだいぶ違う。つまりあの当時の若いOLたちがそのまま年を経ても応援してるということになる。
昭和のある時期、40代の女性客が新派や東宝系の商業演劇を支えていたのだが、平成のいまは花組芝居はその線ということになるだろうか。
原作となった「芝桜」も「木瓜の花」も、新派や東宝系商業演劇で何度も上演されてきた昭和の名作だ。花柳界の事情に通じ、女の業を描くのが得意だった有吉さんだからこそ書けた小説。ただただ、ヒロインの正子と蔦代が、見ていて懐かしく、いとおしかった。泣かせて笑わせて、よくできた芝居である。
有吉さんがご存命でこの花組芝居版をご覧になったらどんな感想を持たれただろうか、と思いながら舞台を見つめていた。