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公演情報 あまい洋々「Found footage vol.2」の観てきた！クチコミとコメント

• のぺ（31）

  実演鑑賞

  満足度★★★★★

  鑑賞日2025/08/30 (土)　14:30

  価格2,000円

  序盤からハラハラする演出が続き、台詞も切れ味があって、ぐいぐい引き込まれた。
  

  ネタバレBOX

  とりわけ印象的だったのは、ベッドにコインを投げる場面である。あの瞬間にはっとさせられた。欲を言えば、ラストもコインに絡めて収束させれば、さらに鮮やかだったと思う。取材対象者＝金銭という意味合いがより浮かび上がっただろう。
  「記事になる」という言葉は一見よい響きを持つが、同時に慎重さが求められる。引き受けた瞬間に関係は“仕事”へと置き換わり、当事者は対象化される。その構図には、病院における医療モデルのように、人をモノ扱いしてしまう気配がある。さらに、ライターの台詞にはリアリティが乏しく、もしや虚構なのではという疑念すら抱いた。このライターはどんな立ち位置にあるのだろう。商業ライターとして生計を立てているのか、それともクラウドワークスなどで生活のために記事を量産しているのか。もし記事の反響次第で報酬が左右されるのなら、「使える／使えない」という基準で取材対象者を傷つけかねない危うさをはらむ。
  表現する以上、人を傷つける可能性は避けられない。だからこそ「嫌なら嫌と言えばいい」というマチズモ的な感覚には慎重であるべきだ。取材をし、世に出す以上、「考えすぎだよ」と言われるくらい、こまめで丁寧なコミュニケーションを心がけなくてはならない。
  薄布の美術は、記事と仕事のあいだに引かれる一線を思わせつつ、そのすべてをベールに包み込んでいた。引き受けた瞬間に包まれてしまうような境界の不穏さを、可視化していたように思う。

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  2025/08/30 17:49

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