りすん 2025 edition 公演情報 ナビロフト「りすん 2025 edition」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    岡山公演を観劇。
    きっかけは、アステールプラザの舞台技術講座で出会った舞台監督・山中秀一さん。
    この「りすん2025」ツアーに関わると聞いて、面白そうだと思った。

    観客席三方に囲まれた小さな空間。
    2時間の芝居は、私を予想もせぬ世界に連れて行く。
    簡素な舞台美術に、音と光、役者たちの緊張感が加わることで、空間は広がり、鋭く変化していく。

    観劇後、ハレノワ1階の喫茶室での「劇場デ読ム会」に参加。
    原作を読んだファンの熱量に圧倒されつつ、私が思わず漏らした本音——

    「自分が感激したいばかりに、つくづく観客や読者というのは、残酷なものだ。登場人物に人格があったら逃げ出したいだろう心境もよく解かる。」

    役者陣も印象的だった。
    朝子(加藤玲奈)の利発さと脆さ、隆志(菅沼翔也)の優しさ。
    そして祖母役・宮璃アリの、予想のつかない登場にワクワクした。

    舞台監督・山中秀一、舞台美術・田岡一遠ほか、多くのプロフェッショナルが「寄ってたかって」作り上げている舞台の贅沢さに、私は目眩がしそうだった。

    ネタバレBOX

    この作品では、ある瞬間から“物語が変調する”ような構造に驚いた。
    時間が巻き戻り、眼の前で起こる突然の断絶。
    その緊張感のあるやり取りの中で、観客も次第に「何が本当なのか」を問われていく。
    そして、終幕の朝子の科白——

    「出られた!」

    そのとき舞台に取り残されていたのは、私(観客)のほうだった。
    “作り物の世界”に取り込まれたまま、唖然とするしかなかったあの瞬間を、私は忘れない。

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    2025/07/23 10:26

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