惚て並み拝見 公演情報 惚てってるズ「惚て並み拝見」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    無人島に男3人、そこに突如女が1人現れて...

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    ネタバレBOX

    という筋書きが招く諸々の危うさにヒヤヒヤしつつも、どちらかというとホモソーシャルとそこ特有のヒエラルキーや権威勾配の方が色濃く描かれていて、(恐らくあえての?)不穏な結末も含めて示唆的な作品に思えた。2作目は端的な情報を削ぎ落とした高度な会話劇。これ、あれなどの指示語で通じるコミュニティのノリやムードが生々しく立ち上がる。出ハケも有効で、明け透けなやり取りや特有の偏狭さを一切の説明なくして伝える石黒さんならではの作演出(珍しく標準語!)とそれをあっさり体現する俳優の技に唸った。3作目も地元特有の閉塞感の中、人間関係の錯綜が描かれる。権力のあるイヤなやつとシフト貢献度の高い変態、果たしてどちらが職場にとって有害か。というアジェンダをよそにフェティッシュによって妙な繋がりを果たす男女。同僚に自慰の材料にされるのも、いつも片手間で会話が成り立たず、親や近所にとって"いい妻"になるよう矯正を強いる夫と店を切り盛りするのもどっちも地獄だけど、今逃げたいのはどっち?という極めて地獄的問いに私は刹那的リアルを感じたりも。好意のあるなしによって地獄度全然変わるなあとか...同じ立場なら自分はどうするのかなとか...考えすぎかもしれないけど。そんなこんなで「笑い」だけでは乗り切れぬ、乗り切らせぬ、一筋縄ではいかない作品群。前作とは個性の全く異なる作家や演出家と手を取り合ってガラッと違う作風に挑むスタイルにも、ストイックなアプローチや洗練されつつも大体な身体の使い方にも、俳優の果敢な惚て並みを拝見。次回は何するの?!

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    2025/06/30 23:58

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