公演情報
ヨーロッパ企画「切り裂かないけど攫いはするジャック」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★★
演劇好きの友人に誘われ、観劇。
19世紀末のロンドン。
探偵が「切り裂かないけど攫いはするジャック」の正体を探る異色ミステリーは、誰もが予想外のクライマックスへ……!?
ヨーロッパ企画でも、特に推しの永野さん&藤谷さんがメインで、自分ために作られたような作品だった。
物語の語り手を変えたり、話運びが停滞しそうなタイミングで大事件が起きたりと、工夫を凝らした構成で、気づけば終わっていた。
なんといっても、攫いはするジャックとは誰なのか?という謎が明かされる中盤の"ある瞬間"における劇場のどよめき具合が忘れられない。
舞台全体が見渡せる観客ならではの気付き、事件の目撃者になったような衝撃と後ろめたさ、それでいて、滑稽さ(とほんのり怖さ)を感じさせる"あの瞬間"にこそ、"演劇"ならではの面白さがあったように思う。
クライマックスに登場する大がかりな舞台装置のバカバカしさも含め、上田誠脚本の秀逸さを堪能した。
中世ヨーロッパを舞台にしたミステリーコメディという異色設定を見事に我が物としたヨーロッパ企画には拍手喝采で、劇団の私的ベスト演劇といっても過言ではない傑作だった。